2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation into neural mechanisms of auditory hallucinations using rodents.
Project/Area Number |
17K07052
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松本 惇平 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00635287)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 随伴発射 / 聴覚系 / ラット / 超音波発声 |
Outline of Annual Research Achievements |
他者の声が聞こえる幻聴は統合失調症の最も特徴的な症状の一つであり、自己の内的発声が他者由来と誤って認識されることにより起こると考えられている。一方、聴覚系及び扁桃体ニューロンは自己および他者の声に対して識別的に応答することが報告されている。以上から、我々はこれらの領域における自他の識別障害により、幻聴が起こるという作業仮説を立てている。本研究では、ラットを用いて、多領域大規模神経活動記録および光遺伝学による神経活動操作により、この仮説を検証する。 最終年度である今年度は、引き続き、神経活動記録実験系を用いて、自他のそれぞれの鳴声に対する神経応答を調べるとともに、メタンフェタミン投与によるその変化を調べた。その結果、メタンフェタミンの投与によって、自己の鳴声に対する聴覚野の応答が選択的に増強されることが明らかになった。また、光遺伝学実験においては、前年度に作製したウィルスを用いて、ラットの神経細胞に、活動依存的にオプシンを発現させることに成功した。また、音声弁別課題装置を作成し、ラットに同課題を学習させることができた。現在これらを組み合わせ、特定の神経細胞集団の光刺激によって、声の知覚が生じるか、検証を行っている。 研究期間全体を通じて、本研究目的の仮説の検証にはまだ十分ではないものの、神経活動記録実験系では様々な興味深いデータが得られ、また、光遺伝学による神経活動操作のための新規実験系の確立も行うことができた。今後も本研究目的の達成のため、研究を行っていく。
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Research Products
(2 results)