2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysys of local circuit mechanisms in the basal forebrain in terms of parvalbumin and acetylcholine
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17K07063
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
籾山 俊彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20230055)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前脳基底核 / アセチルコリン / パルブアルブミン / シナプス / パッチクランプ / スライス / 光遺伝学 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
パルブアルブミン(PV)-Creマウスの前脳基底核にCre依存的チャネルロドプシン(ChR2)発現アデノ随伴ウィルスベクター(AAV)を注入することにより前脳基底核PV含有GABA作動性ニューロンのみにChR2を発現するマウスの作製を試みた。ジャクソン社(米国)よりPV-Creマウスを購入し、脳定位固定装置を用いて前脳基底核にAAVを注入した。AAV注入3週間後に前脳基底核を含む冠状断急性脳スライスを作製し、ChR2に付随するenhanced yellow fluorescent protein(EYFP)の発現を、蛍光顕微鏡を用いて観察した。注入時期および座標の検討を行ない、生後3週齢前後にAAVを注入することにより前脳基底核でのEYFPの発現が安定して見られた。AAVChR2が注入3週間後に、EYFP発現ニューロンおよび軸索周辺のニューロンからパッチクランプ法を用いて青色光誘発性抑制性シナプス後電流(IPSCs)がきろくされ、機能的なChR2が発現していることを確認した。 次に、PV含有GABA性ニューロンからアセチルコリン性ニューロンへのGABA性入力を記録するために、前脳基底核におけるアセチルコリン性ニューロンのマーカーであるCy3-labeled anti-murine NGFrを脳室内に注入した。注入1日後から前脳基底核内にCy3の傾向が確認され、3日目以降は徐々に蛍光の退色がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前脳基底核内のPV含有GABA性ニューロンーアセチルコリン性ニューロン間のシナプス伝達機構を精密に解析するためには、これら2つのタイプのニューロンを精密に同定した上でパッチクランプ解析を行なうことが不可欠である。本研究課題では、この目的を達成するために、研究代表者が確立した前脳基底核内のアセチルコリン性ニューロンの同定法をPV-Creマウスに適用して2種のニューロンに異なる蛍光を発現させることに成功した。これによって、以降の電気生理学的解析が円滑に進むと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアセチルコリン性ニューロン(赤色蛍光)からホールセル記録を行ない、PV含有GABA性ニューロン(黄緑色蛍光)に光刺激を与えることによって青色光誘発性IPSCsを誘発して、伝達機構および生理活性物質による修飾機構を解析する。 克服すべき一つの問題は、記録時にはマウスが生後6週齢以上に達しているため、スライス標本上に健常なアセチルコリン性ニューロンが少なくなっていることである。このことによる実験効率低下を防ぐために、 1)AAVを注入するマウスの週齢を少しでも若くすることを試みる。 2)スライス標本作成のためのクレブス液の組成を検討する。研究代表者は、成熟げっ歯類の線条体ニューロン等のために、スライス作製用クレブス液の組成を改良した経験を 有する。
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Causes of Carryover |
初期のスライス標本上の染色検討に時間をかけたため、PV-Creマウス購入・使用のペースが当初の予定をやや下回った。現在、実験手順が確立したので、次年度はPV-Creマウス使用数が増加することが予想され、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(4 results)