2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigating Dystophinopathy-associated Cardiovascuvar Failure
Project/Area Number |
17K07092
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 公一 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50596236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大門 雅夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80343094)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 筋ジストロフィー / 自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はモデル動物を利用した2研究、および患者を対象とした臨床疫学研究の3本立てで構成されている。以下にそれぞれの研究実績の概要を報告する。 【モデル犬を用いた治療実験】疾患モデル犬に対して実験計画に沿った治療薬の投与実験を実施した。治療薬の投与によって自律神経指標は軽度の抑制ができたものの、想定どおりに心拍数低下および自律神経の抑制作用を達成することができず、結果として心機能や心病理所見といったアウトカムの改善を認めることができなかった。投与量の増量を検討したが過去文献と比較して体重当たりの投与量が過量になる可能性があり、動物倫理の観点から断念した。心機能評価を通じて基礎的な情報収集はできたため、今後はそれらの成果を発表していく予定としている。 【モデルラットを用いた治療実験】疾患モデルラットを対象にした実験結果では、個体差はあるものの想定されていた程度よりは心機能障害が軽度であることが判明し、心臓病理検査においてもある程度の飼育期間を経ないと心臓の病理障害も軽度にとどまることが判明した。実験計画に沿って治療薬を投与したところ、高用量の投与群において(血圧や心拍への影響は軽微ながら)運動量の減少、食欲の低下といった副作用を疑う所見が観察された。自律神経の制御により心臓へのベネフィットが出現する前に、自律神経異常による食欲低下等をきたしたと考えられた。治療効果としては不十分な結果であったものの、基礎的知見の蓄積が達成され、研究成果は英文論文として投稿中である。 【臨床研究系】複数の診療拠点病院と共同で進めている臨床疫学研究においては研究対象者(参加同意者)を増やしながら順調に進展している。共同研究病院として新たに広島西医療センターも本研究に参加することになり、参加施設および参加者がさらに増加しており多くの成果が期待される。得られた知見の一部は英文論文として投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
期待していた結果が得られたとは限らないが、予定されていた実験計画はほぼ順調に達成している。また成果についても英文論文2本を投稿中であり、1本が投稿直前の状況であるから、おおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の計画時に期待していた結果は必ずしも得られていないが、研究計画に沿って概ね順調に進捗している。新型コロナウイルス感染症によって一部の研究遂行に支障がでているが、引き続き研究計画に沿って実験と臨床情報の収集を進め、得られた知見について英文論文にて成果発表を進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
当年度に新型コロナウイルス感染症が流行したことにより、予定していた研究活動および学会出張等が中止になってしまった。これらによって発生した未使用額については(コロナウイルス感染症は来年度には終息することが期待されるため)来年度の研究活動に利用する予定である。
|