2019 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation mechanism of the selective autophagy though p62/SQSTM1 expression
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17K07098
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 弦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (50415303)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 選択的オートファジー / p62 / タンパク質凝集体 / アグリファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞にユビキチン陽性のタンパク質凝集体が蓄積する神経変性疾患では、加齢によるタンパク質分解機構の変容が疾患発症の一因であると考えられる。しかしながら、タンパク質凝集体の細胞内除去機構が加齢によりどのように変化するのかについてはほとんど理解されていない。タンパク質凝集体はp62/SQSTM1などのオートファジーレセプターを介した選択的オートファジー機構により分解され、この過程は特にアグリファジーと呼ばれている。アグリファジーの選択的分解の基質は細胞内凝集体であるが、その活性を評価する実験系はこれまで開発されていない。そこで、我々はアグリファジーの主要オートファジーレセプターであるp62の動態を評価することで、アグリファジー活性を評価することにした。RFP-GFP-p62を安定発現する細胞株を樹立し、オートファジー促進によるp62を含むオートリソソーム形成を評価する実験系を作成した。これにより、我々が新規に開発したp62のS403リン酸化促進剤がアグリファジーを促進することを実証し、さらにはタウ凝集体を維持するタウ凝集細胞株においても、p62リン酸化促進剤によりタウ凝集が減少することを実証した。このp62のS403リン酸化促進剤は、アシルドーパミンとは異なりアグリソーム形成を誘導しないことから、p62のS403リン酸化促進とアグリソーム形成は異なるメカニズムで制御されていることが実証された。アグリソーム形成は、中枢神経系では、グリア細胞、特にアストロサイトでは起こるが、神経細胞では顕著なアグリソーム形成は観察されないことから、今後、新規p62リン酸化促進剤が神経細胞においてもアグリファジーを促進することを実証していきたい。
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Research Products
(2 results)