2020 Fiscal Year Research-status Report
脊髄小脳失調症の活動依存的な運動機能改善メカニズム
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17K07103
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
細井 延武 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90543570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小脳 / baclofen |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄小脳失調症(SCA)は、小脳の機能異常により運動失調を生じる遺伝性の神経変性疾患である。現在のところ、この疾患は症状の進行を遅らせる程度の対症療法しかなく、効果的な治療法の開発が切望される指定難病の希少疾患である。申請者は、筋弛緩剤としてすでに承認され臨床利用されているbaclofen(GABAb受容体の活性化薬)の投与と運動トレーニング(リハビリ)を組み合わせると、SCAモデルマウスの運動機能が改善することを発見した。そこで、本研究では、その効果のメカニズムを検討することを試みた。本年度の初期から、コロナ禍への対処などの影響で研究活動が混乱したものの、次第に通常通りに研究活動を行える体制になってきた。小脳での活動依存的ニューロン標識法を見直して別の方法(タモキシフェン依存的な標識法など)を検討してみたものの、小脳の神経細胞に対して、活動依存的に効率よくラベルすることは難しかった。小脳以外でbaclofenが作用している可能性もあることから、大脳皮質の運動野などへの影響などを視野に入れて今後解析を行っていくことを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の初めのころから、コロナ禍へのさまざまな対応のため、研究活動の一時停止などもあり、一部、研究活動が思う通りできないことがあったため、上記のような評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
小脳での活動依存的ニューロン標識法を見直して別の方法を検討してみたものの、うまくいかなかった。そこで、今後は、運動トレーニング(リハビリ)をマウスに行わせる手段としてローターロッドを用いていたが、他の強制運動課題を用いてリハビリを行わせることを考えている。また、小脳での活動依存的ニューロン標識法が困難であるので、今後は小脳以外の脳部位(例えば、大脳皮質の運動野など)において、リハビリ依存的にニューロン標識法を適用して本研究を遂行することを考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍への対応等などで研究活動を思うように勧められない時期があり、研究期間の延長をすることにしたため。小脳以外の脳部位での活動依存的標識法を検討するための消耗品費やパッチクランプ法を用いた実験の消耗品などに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)