2018 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of spine morphology by RICS-dependent Cdc42 signaling
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17K07104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 勉 東京大学, 定量生命科学研究所, 客員准教授 (30302798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / シナプス / スパイン / グルタミン酸受容体 / CaMKII / Cdc42 / アクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
RICS下流のシグナル伝達、特にCdc42→PAK→LIMK→Cofilin経路の動態について、引き続きin vitroの解析を実施した。実験系として、RICSがプレドミナントに発現しているマウス大脳皮質ニューロンおよび小脳顆粒ニューロンを用いた。 ① グルタミン酸刺激により、全PAKに対する活性型(自己リン酸化型)PAKの量比が増加することを見出した。このとき、Cdc42に結合しているPAK量も増加していた。さらに、CaMII阻害剤KN-93処理およびRICS-R58M(ドミナントネガティブ変異体)導入によりPAK活性化が阻害されることを見出し、PAKの活性化はCaMKIIおよびRICSに依存していることが示された。 ② グルタミン酸刺激により、全LIMKに対する活性型(リン酸化型)LIMKの量比が増加することを見出した。CaMII阻害剤KN-93処理およびRICS-R58M(ドミナントネガティブ変異体)導入によりLIMK活性化が阻害されることから、LIMKの活性化はCaMKIIおよびRICSに依存していることが示された。 ③ グルタミン酸刺激により、全Cofilinに対する不活性型(リン酸化型)Cofilinの量比が増加することを見出した。CaMII阻害剤KN-93処理およびRICS-R58M(ドミナントネガティブ変異体)導入によりCofilin不活化が阻害されることから、Cofilin不活化はCaMKIIおよびRICSに依存していることが示された。 以上の結果を総合し、グルタミン酸受容体からCofilinに至る経路が明らかとなった。グルタミン酸の興奮性刺激に依存してスパインの形態が制御されることが高次脳機能の重要な細胞基盤と考えられているが、上記のシグナル伝達経路によりアクチン動態が調節されることが、スパイン形態制御に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Cdc42→PAK→LIMK→Cofilin経路の解析は概ね順調に進行しているが、Cdc42→IRSp53→PSD-95/SHANK経路およびCdc42→IRSp53→WAVE2/Abi-1/Dysbindin-1経路の解析には着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度までの解析で成果が得られているCdc42→PAK→LIMK→Cofilin経路の解析については、成果公表を視野に入れて計画通りに遂行していく。Cdc42→IRSp53→PSD-95/SHANK経路およびCdc42→IRSp53→WAVE2/Abi-1/Dysbindin-1経路の解析については、令和元年度以降に繰り下げて早急に着手する。
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Research Products
(1 results)