2017 Fiscal Year Research-status Report
マウス発生過程における異質性mtDNA分離モデル構築と操作技術への応用
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17K07148
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
設楽 浩志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 主席基盤技術研究職員 (90321885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博通 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 特任研究員 (30142110)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 異質性 / 初期発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の生殖細胞系列、初期発生過程における異質性ミトコンドリアDNA(mtDNA)分離の遺伝様式の解析を目的として、本年度は、単一細胞中の異質性mtDNA割合を測定する定量法の構築を、特に条件の最適化と検出限界の検討を行った。測定法としてPCR-RFLPの原理を採用し、その反応条件等を詳細に検討することで、異質性mtDNAモデルマウスの1系統に対応した、より高い正確性と検出感度を有する測定系を構築した。また、これまでに樹立した1系統のモデルマウスの異質性mtDNAに関わる基本的な遺伝学的性質を検討するために、次世代へ伝達する様子を解析した結果、子孫の個体間で異質性mtDNA割合にばらつきのある様子が示された。さらに個体の複数組織における異質性mtDNA割合について測定したところ、組織によって異質性mtDNAの割合が異なる場合のあることが観察されており、これらについては他の異質性mtDNAモデル系統も含めて現在も継続して検討を行っている。mtDNA機能に関与する核遺伝子が異質性mtDNAの分離に与える効果を検討するために、これまでに対象遺伝子の一つをノックアウト(KO)したマウスを樹立しており、本年度はさらに、このKOマウスの生物学的特徴に関する解析を行った。KO(ヘテロ接合体)マウスにおいて、対象遺伝子の発現量を定量PCRによって解析したところ、複数の組織において発現量が野生型と比較して低下している様子が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異質性mtDNA割合の測定法の最適化と評価がやや難航したため、異質性モデルマウスの世代間、組織間における解析が進んでいる一方で、単一細胞を用いた検討がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに構築された異質性mtDNA割合の測定法を用いて、単一細胞における解析をさらに継続して進める。また、他の異質性mtDNAマウスモデル系統についても、測定系の検討、子孫への伝達、組織および単一細胞間における解析を進める。また、KOマウスについても生物学的特徴を把握するための解析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、異質性mtDNA割合測定法の条件検討を当初計画よりも重点的に実施したため、関連試薬・消耗品に若干の変更が生じた。 次年度使用計画として、単一細胞を用いた異質性mtDNA割合の測定を行うための関連試薬の購入と合わせた使用を予定している。
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