2018 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用を指向した大腸がん進展における甲状腺ホルモンの役割の解明
Project/Area Number |
17K07191
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小島 康 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 主任研究員 (30464217)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 大腸がん / 甲状腺 / 遺伝子改変動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、大腸がんは、日本で最も罹患数の多いがんであるが、進行大腸がんは既存の治療法に抵抗性を示すことが多く、大腸がんの新機軸の予防・治療法の開発は急務である。疫学研究により、甲状腺ホルモン異常と大腸がんとの間に因果関係がある可能性が浮上している。消化器系は、甲状腺ホルモンの強い制御を受けていることが知られている。しかしながら、大腸がんの進展における甲状腺ホルモンの役割については、様々な研究が行われているものの、現在に至るまで体系的な知見は得られていない。甲状腺ホルモンは、細胞の代謝、成長、増殖の基本的制御に関与する。甲状腺ホルモン分子の特徴は、ヨウ素分子を含むことであり、甲状腺ホルモンの活性は、脱ヨウ素酵素による脱ヨード反応により制御されている。1型および2型脱ヨウ素酵素(DIO1、DIO2)は、甲状腺から放出された低活性型であるthyroxine(T4)を、末梢組織において高活性型であるtriiodothyronine(T3)に変換する。T3は、核内ホルモン受容体であるTHRAおよびTHRBと結合して、その作用を発揮する。活性化されたT3は、3型脱ヨウ素酵素(DIO3)により不活化される。DIO1は、肝臓および腎臓に特異的に発現し、DIO2およびDIO3は、さまざまな臓器で発現していることが報告されている。本研究では、大腸がんモデルマウスのApcΔ716変異マウスを用いて、DIO2の腸管腫瘍形成に与える役割について検討を加えて、将来的に新基軸の大腸がん予防法や治療法の開発を指向している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文投稿をして、追加実験を組んでいるため、計画が一部未着手となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文採択に必要な追加実験を実施するとともに、未着手実験を開始する。
|
Causes of Carryover |
論文投稿および採択を優先して、実験計画に変更を加えたため
|
Research Products
(1 results)