2017 Fiscal Year Research-status Report
脂質クオリティ分析を基軸とした泌尿器腫瘍の新規疾患マーカーの同定と検証
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17K07194
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中西 広樹 秋田大学, 生体情報研究センター, 助教 (10466740)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 泌尿器がん / リピドーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、独自に開発したイノシトールリン脂質(PIPs)の高感度・高分離測定技術を用いて、罹患率が上昇している難治性固形がんの新規臨床マーカーの同定を目的としている。具体として、PIPs代謝異常との関わりが報告されている泌尿器がんにおいて、ヒト患者検体を用いたリピドミクス解析を行い、そのプロファイルと臨床因子、治療反応性・副作用、予後、遺伝子多型などを多元的に解析することで診断、治療、予後に影響するマーカー分子の同定を目指す。 これまでの研究で解析ヒト腎がん患者85例のリピドミクス解析を実施し、イノシトール1リン酸(PIP1)量が、悪性度、進行度と相関することを見出した。さらに、詳細な解析を進めた結果、PIP1のなかの(*PIP1はリン酸基の結合位置の違いによりPI(3)P、PI(4)P、PI(5)Pに分類される)PI(4)Pががん悪性度、進行度と相関することを明らかにした。現在、血漿中の脂質解析を進行しており、組織で見出したPI(4)Pと相関するPIPsもしくはその代謝産物の探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト腎がん患者の悪性度、進行度に相関する代謝物としてPI(4)Pを見出した。現在、血漿中の脂質解析を進行しており、組織で見出したPI(4)Pと相関するPIPsもしくはその代謝産物の探索を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト腎がん以外の泌尿器がんである前立腺がんや尿上上皮がん患者の検体解析を進めることで、泌尿器がんの予防・診断・治療法開発に資する研究基盤の形成を目指す。本研究の成果は、新たな医薬品の創製へと繋がる可能性が高く、また、疾患マーカー脂質の発見による早期診断法ならびに術後予後予測法の確立は、国民の健康維持と医療費削減に繋がるなど、経済的・産業的に大きな波及効果も期待される。
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[Journal Article] PTEN Regulates PI(3,4)P 2 Signaling Downstream of Class I PI3K2017
Author(s)
Malek M、Kielkowska A、Chessa T、Anderson K E.、Barneda D、Pir P、Nakanishi H、Eguchi S、Koizumi A、Sasaki J、Juvin V、Kiselev V Y.、Niewczas I、Gray A、Valayer A、Spensberger D、Imbert M、Felisbino S、Habuchi T、Beinke S、Cosulich S、Le N N.、Sasaki T、Clark J、Hawkins P T.、Stephens L R.
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Journal Title
Molecular Cell
Volume: 68
Pages: 566~580.e10
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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