2017 Fiscal Year Research-status Report
担がん患者における血漿遊離DNAの特性についての基礎的検討
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17K07197
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
荒金 尚子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (20321846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 明美 佐賀大学, 医学部, 助教 (20568357)
中村 朝美 佐賀大学, 医学部, 助教 (90457490)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | circulating tumor DNA / EGFR T790M / metastasis |
Outline of Annual Research Achievements |
1.担がん患者ctDNAで認めた二峰性ピークの臨床的意義:肺がん患者ctDNAは、long fragment(5 Kb)、short fragment(170 bp)の二峰性ピークが見られた。治療前肺がん症例92名、呼吸器良性疾患症例18名、健常人20名の血漿遊離DNAについて検討した。全DNA濃度は肺がん患者で優位に高く、病期の進行に従い上昇傾向だった。特に遠隔転移を有する症例で優位に高値を示した。腫瘍由来DNAが両方のfragmentで存在する事を確認した。 2.担がん患者血漿遊離DNAで認めた2峰性ピークのDNA単離とctDNA含有率の比較:組織でEGFR変異L858R陽性を確認した肺がん患者から抽出したctDNAの解析を行った。long fragment、short fragment共にctDNA非検出例と比較し検出例で有意に高値を示したが、long fragmentの方がよりその差が顕著であった。 3.単ピークDNAの解析により、ctDNA変異解析精度が向上するか:上記の検討により、long fragment、short fragment両方からctDNAを検出する事が明らかになったため、単ピークDNA検出により変異解析精度の向上は見込めないと考え、この2つのサイズの異なるctDNAの起源、生物学的活性の有無について検討する事とした。そのため、次年度行う予定であった以下の検討に着手した。 4.2峰性ピークの各DNAの塩基配列、会合分子の同定:long fragment、short fragmentのDNAを各々抽出し、次世代シークエンス解析の外注解析を行った。進行肺がん患者と共にコントロールとして健常人血漿遊離DNAも同時に検査に供した。現在、各ピークの塩基配列について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、肺がん患者の血漿検体を保管していたため、臨床的検討を迅速に行う事ができた。ctDNAサイズ解析、各ピークからのDNA抽出もそれまで解析準備を行っていたことから、計画通り進行する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.2峰性ピークの各DNAの塩基配列、会合分子の同定 表記項目について前年度からの研究を続行する。現在、long fragment、short fragmentの共通配列、異なる配列について解析中であり、各々のfragmentの配列特異性について検討する。さらにその配列から会合分子を推定し検討する。
2.2峰性ピークの各DNAおよび会合分子ががん進展に関与するか 1の結果に基づき、がんの浸潤、転移におけるctDNA、さらにlong fragment、short fragmentの効果について検討する。
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