2017 Fiscal Year Research-status Report
耐性化遺伝子検出の為の適切な再生検と、liquid biopsyの臨床応用
Project/Area Number |
17K07198
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中村 朝美 佐賀大学, 医学部, 助教 (90457490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒金 尚子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (20321846)
佐藤 明美 佐賀大学, 医学部, 助教 (20568357)
渡邊 裕之 京都大学, 薬学研究科, 助教 (40710786)
木村 寛之 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (50437240)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | EGFR-TKI / 獲得耐性機序 / liquid biopsy / re-biopsy / T790M |
Outline of Annual Research Achievements |
1.耐性化遺伝子検出のためのより適切なre-biopsy方法の検討 (1)臨床的検討:EGFR-TKI耐性化後血漿T790M陽性症例において、再生検部位、臨床背景における組織T790M陽性率とosimertinib効果を検討する:当院にて第一、第二世代EGFR-TKIに獲得耐性となり、liquid biopsyと再生検を施行された22症例について血漿、再生検部位からのT790M検出の状況、両者の一致率、osimertinibの効果などについて検討し、論文作成。現在投稿中である。 (2)動物モデルを用いた検討:SPECTを用いて適切なre-biopsy部位決定が可能か 1)SPECT撮影のための放射性標識を行ったgefitinibRI、osimertinibRIの作成:京都大学との共同研究で放射線同位元素でラベルした18F‐osimertinib(第三世代EGFR-TKI)を作成。現在移植用の細胞株に対する薬剤の結合について確認中。第一世代EGFR-TKIについてはgefitinibではなく京都大学で開発されたL858Rに結合する合成化合物を使用する方針となった。 2)EGFR-TKI獲得耐性モデルマウスの作成:我々が作成した肺がん転移モデルマウスに移植する細胞株としてH838(EGFR L858R変異のみ)、H1975(EGFR L858R+T790M)、H226B(EGFR野生型)を選択し、それぞれにルシフェレースを導入した。それぞれの細胞株をマウスに移植し、リンパ節転移、肺内転移などを来たすことを確認した。また、転移巣のルシフェレースの蛍光をIVISで確認し、その後マウスを解剖し、同部位に間違いなく転移があることを確認した。細胞株により増大速度や転移を来たすまでの時期が異なるため、1匹のマウスにそれぞれの細胞株をどのようなタイミングで移植するのが良いか更なる検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床的検討ではEGFR-TKI獲得耐性時にT790M変異が検出された症例が22例と少なかったため、予定していた血漿T790M陽性例、組織T790M陽性例に分けての検討が難しかったが、それぞれの症例での血漿T790M、組織T790Mの検出状況、両者の一致率、血漿T790M、組織T790Mの結果とosimertinibの効果の関係など詳細に検討し、論文化した。 動物モデルを用いた検討では、平成29年予定していた放射線標識を行ったEGFR-TKIの作成は完了した。平成30年度に予定していたEGFR-TKI獲得耐性モデルマウスの作成を先に行い、EGFR-TKI獲得耐性モデルマウスで放射線標識EGFR-TKIの集積を確認する方針となったため、実際に放射線標識EGFR-TKIをマウスに投与するには至っていないが、おおむね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
移植用の細胞株に対する放射線標識EGFR-TKIの結合が確認されたのちに、当院で作成したEGFR-TKI獲得耐性モデルマウスを京都大学に移送し、放射線標識EGFR-TKIを投与して転移部位に集積が得られるかを確認する。その後マウスを解剖して転移巣のEGFR遺伝子変異の検出状況を確認し、放射線標識EGFR-TKIの集積状況からどの転移巣にT790M変異を認めるかの予測が可能かを検討していく。
|
Research Products
(2 results)