2017 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌のBH3プロファイリングによる抗がん剤耐性機序の解明及び新規治療法の開発
Project/Area Number |
17K07200
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
河野 豊 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80398320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
平川 昌宏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50561023) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | BH3プロファイリング / 大腸癌細胞株 / 5-FU耐性 / BCLXL蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
BH3プロファイリング法を用いて大腸癌における抗がん剤耐性機序を解明すること,及びこれに基づいた新規治療法を開発することが本研究の目的である。 当該年度においては,まず7種類の大腸癌細胞株に対して実地臨床で使用される5-FU,Irinotecan(=SN38)及びOxaliplatinなどの抗がん剤存在下で長期間継続培養した。低濃度から徐々に抗がん剤の濃度をあげて,最終的に50%抑制濃度(=IC50)以上の濃度で培養しても増殖が維持可能であったものを耐性株として以後の実験に使用した。当初予定していた7種類の大腸癌細胞株のうち,5-FUに充分な耐性株を獲得した2種類のHT-29細胞株について研究を先行した。これらの細胞は4 microM及び16 microM 5-FU存在下でも培養継続が可能であり,SN38及びOxaliplatinに対する交差耐性は認めなかった。 これら2つの5-FU耐性株はPlate based BH3プロファイリング法により,野生株と比較して抗アポトーシス蛋白BCL-XLに強く依存した生存をしていることが判明した。しかも16 microM 5-FU耐性株は,4 microM5-FU耐性株よりBCLXLに強く依存していることから,5-FU濃度依存的であることも確認できた。次にアポトーシス関連蛋白発現をウエスタンブロッティング法で検討したところ,2つの5-FU耐性株のBCLXL蛋白は野生株とほぼ同等の発現を有していたことから,BH3プロファイリング法でのみBCLXL蛋白の重要性が確認できた。以上より大腸癌細胞株における5-FU耐性獲得にはBCLXL蛋白の機能的な役割が重要である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌細胞株における5-FU耐性機序の1つとして,BCLXL蛋白の機能的な役割がBH3プロファイリングにより明らかになったため。但し検討する大腸癌細胞株をさらに増やして検証を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の結果を元に,翌年度(平成30年度)においては,1)大腸癌細胞株を増やして耐性機序の解明を検証する,2)抑制剤を用いて耐性が解除できるかどうかを検証する,3)臨床検体を用いてin vitroで得られた結果が観察可能かどうか検討する。
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Causes of Carryover |
計画はほぼ予定通り進行しているが、物品購入が年度をまたいでしまったため次年度使用とさせて頂きます。
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