2018 Fiscal Year Research-status Report
新規抗体医薬適用患者における免疫モニタリング法の整備とその臨床応用に関する研究
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17K07207
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
山下 万貴子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (00380668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗腫瘍免疫 / 免疫モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、抗腫瘍免疫において、主要なエフェクター細胞であるT細胞だけでなく、単球や樹状細胞、マクロファージなどのミエロイド細胞の状態も重要であることが報告されてきている。我々はこれまでに、最大18色を同時に染色できるマルチカラーフローサイトメーターを用いて、各種Lineage細胞とT細胞を中心とした免疫担当細胞ポピュレーション解析を進めている。本研究では、解析が不十分であったミエロイド系細胞のフェノタイピング用新規パネルを作成し、バリデーションおよび解析を行っていくことを目的とする。 本年度は、樹状細胞上の免疫チェックポイント分子発現を解析するパネルを作成し、バリデーションを行った後、健常人および固形がん患者末梢血中樹状細胞におけるフェノタイピングを行った。また、単球系細胞のためのフェノタイピング用パネルをいくつか作成し、現在、健常人末梢血を用いて最適パネルおよび条件をバリデーション中である。 次年度も、引き続き新規パネルのバリデーションを行い、実際に、末梢血リンパ球中のフェノタイピングを行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ミエロイド系細胞解析用のパネルデザインおよびバリデーションは進んでおり、健常人末梢血リンパ球を用いたフェノタイピングを現在進めている。患者検体の入手については、今後も課題の1つである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでに作成した単球系細胞解析用の新規パネルについて、バリデーションを完成させる。これまでの解析より、ミエロイド系細胞では、がん患者と健常人、またヒトとマウスではいくつかの分子でその分布が異なっていることが観察されており、患者だけでなく健常人におけるリンパ球フェノタイピングも重要である。よって、単球系細胞解析用パネルについても、まずは市販の健常人末梢血リンパ球を用いてフェノタイピングを行い、情報を収集する。また、患者末梢血検体が得られた場合には、随時、測定を進めていく。さらに、近年は、マルチパラメータデータの解析手法も発展していることから、解析手法および解析用ソフトウェアの導入を進める。
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Causes of Carryover |
新規患者検体の入手については、引き続き今後の課題となるが、本年度は、パネルのアップデートを行いつつ、これまでに作ってきたパネルについて、市販の健常人末梢血リンパ球におけるフェノタイピング解析を進める。
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