2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of CRISPR/HDR genome editing technology in primary T cells for improved immunotherapy
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17K07212
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大内 靖夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (70553858)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CRISPR/Cas9 / ゲノム編集 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、免疫チェックポイント阻害剤やがん抗原特異的TCRまたはキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子導入T細胞を用いたがん免疫療法は第四の治療法として注目されている。しかし、これらの治療法は重篤な自己免疫疾患関連副作用(irAE)、がん免疫逃避機構による輸注細胞の免疫抑制、非常に高額な治療費、ウイルスベクターを用いた遺伝子導入など非常に多くの問題を抱えている。そこで本研究課題ではT細胞に対してCRISPR/HDRを用いた非ウイルス遺伝子導入技術を開発し、1 STEPで抗原特的T細胞を作成し、各種がん、免疫疾患モデルマウスを用いて、その細胞の有効性を評価することで、免疫細胞療法の基盤技術を構築することを目的とした。平成29年度、研究計画に従い、マウスCD8(+)T細胞に対するCas9 RNP導入およびCRISPR/HDR技術を用いた遺伝子導入法の開発を行なった。その結果、相同性アームを導入したdsDNA、lsDNAなどの一般的なCRISPR/HDRを利用した方法では遺伝子ノックインは実現不可能であったが、新たに開発した手法を利用することで、マウスCD8+ T細胞におけるGFP遺伝子のノックインを実現した。また、本CRISPR/Staple技術を用いることで、One-stepでOVA抗原特異的TCR遺伝子をTCRα定常領域にノックインした内在TCR遺伝子欠損CD8+ T細胞を作成することに成功しており、現在、得られたOVA抗原特異的CD8+ T細胞の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおり、既報のdsDNA法、Long ssDNA法、SCR7阻害剤、化学修飾HDRドナーを用いた方法などを全て初代マウスT細胞に対して検討することで、最終的にOVA抗原特異的TCR遺伝子をTCRα定常領域にノックインした内在TCR遺伝子欠損CD8+ T細胞を作成することに成功した。さらにはT細胞の対するゲノム編集を利用した関連研究成果を論文発表した。現状、遺伝子ノックイン効率は非常に低いことから今後より一層の技術開発が必要であるが、以上の理由から本研究課題は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、OVA抗原特異的TCR遺伝子をTCRα定常領域にノックインした内在TCR遺伝子欠損CD8+ T細胞を作成することに成功している。しかし、現状、遺伝子ノックイン効率は非常に低いことが問題となっている。そこで今後、抗原提示細胞を用いた抗原特異的細胞の増幅培養などを行い、次年度計画しているin vivo解析系で評価するうえで十分な細胞数の抗原特異的T細胞を得られる系の開発を行う。また研究計画どおり、CD8+T細胞を元に開発した遺伝子ノックイン方法を利用し、Tregに対する遺伝子導入の条件検討を進める。
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[Journal Article] Generation of tumor antigen-specific murine CD8+ T cells with enhanced anti-tumor activity via highly efficient CRISPR/Cas9 genome editing2018
Author(s)
Ouchi Y, Patil A, Tamura Y, Nishimasu H, Negishi A,Paul SK, Takemura N, Satoh T, Kimura Y,Kurachi M, Nureki O, Nakai K, Kiyono H, Uematsu S
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Journal Title
International Immunology
Volume: 30
Pages: 141-154
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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