2018 Fiscal Year Research-status Report
Targeting novel bromodomain protein in colorectal cancer
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17K07214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 貴世志 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (50466843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 洋一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20272560)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸がん / 分子標的治療 / エピジェネティクス / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
siRNAを用いたBRD8(bromodomain containing 8)ノックダウン細胞株のマイクロアレイ遺伝子発現データと、ChIP-seq解析によって得られたBRD8が結合するゲノム上の位置情報を統合的に解析し、BRD8が直接発現を制御する候補遺伝子群を探索した。本年度は、これらBRD8標的候補遺伝子群のバリデーションを実施した。さらに、BRD8はMRGBP(MRG domain binding protein)と共に、transformation-transcription domain associated protein(TRRAP)/tat-interacting protein 60(TIP60)ヒストンアセチルトランスフェラーゼ複合体を形成することから、標的候補遺伝子の発現がその触媒サブユニットであるTIP60によっても調節されるかどうか検討した。その結果、TIP60/BRD8複合体が直接発現調節する3つの遺伝子を同定した。この遺伝子群には細胞増殖やがん細胞固有の代謝リプログラミングに関与する遺伝子、低酸素やDNA損傷など様々なストレスによって誘導される遺伝子が含まれていた。遺伝子発現データベースで各種がん組織におけるこれら遺伝子の発現を調べたところ、大腸がんをはじめとするいくつかの腫瘍組織で高頻度に発現増加していることが明らかとなった。以上のことから、BRD8のがん細胞における生物学的な機能や役割を理解する上で重要な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網羅的な解析により同定された多くの標的候補遺伝子群からBRD8の役割を予測することは困難であった。本検討により、TIP60/BRD8複合体が発現を直接制御する遺伝子群を絞り込むことができた。今後、少数の標的遺伝子の生物学的機能を明らかにすることで、がん細胞におけるBRD8の役割が解明できることが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
TIP60/BRD8複合体の標的遺伝子の腫瘍組織での発現や、BRD8と細胞代謝との関係を明らかにする。同時に、CRISPR/Cas9システムを利用してBRD8ノックアウト大腸がん細胞株を樹立し、BRD8の細胞増殖やスフェロイド形成能への影響を調べる。また、マウスゼノグラフトモデルを用いて、BRD8ノックアウトによる腫瘍縮小効果についてin vivoで評価を行う。
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Research Products
(15 results)