2019 Fiscal Year Annual Research Report
Combined anti-cancer immunotherapy based on the ability of immune responses in aged hosts
Project/Area Number |
17K07217
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
原田 守 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50260716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 免疫療法 / 加齢 / 集学的がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、BALB/cマウス由来の同系腫瘍としてのRENCA腎がん細胞とRENCAにヒトCA9由来遺伝子を発現させた RENCA/hCA9細胞を用いた研究を実施した。若年マウス(6-7週齢のBALB/c雌マウス)と加齢マウス(55-60週齢のBALB/c雌マウス)にがん細胞を皮下接種したところ、RENCAは若年マウスと加齢マウスでがんを形成し生体内で増殖したが、RENCA/hCA9は若年マウスでは拒絶された。ヒトCA9とマウスCA9ではアミノ酸レベルでは約30%が不一致であり、この不一致なアミノ酸を含むヒトCA9由来ペプチドをBALB/cマウスのT細胞が認識して拒絶したと考えられた。さらに、若年マウスにRENCA/hCA9を皮下接種し、5日後と9日後にrat IgG、抗CD4抗体、抗CD8抗体を投与した。その結果、抗CD4抗体を投与したマウスではRENCA/hCA9を拒絶したが、抗CD8抗体を投与したマウスではRENCA/hCA9が生着した。これらの結果より、RENCA/hCA9の拒絶に最も重要な抗がんエフェクター免疫細胞はCD8陽性T細胞であることが判明した。また、興味深いことに、抗CD4抗体を投与したマウスのRENCA/hCA9接種9日後での腫瘍サイズは、他の群に比べて統計学的に有意差をもって大きかった。このことは、RENCA/hCA9に対する抗がん免疫応答において、拒絶の中心を担うエフェクターであるCD8陽性T細胞の誘導にCD4陽性T細胞が関与している可能性を示唆していると考えられる。次に、CD8陽性T細胞に認識されるヒトCA9由来でマウスMHCクラス I 分子に結合するペプチドの同定を試み、hCA9/288-296 (AYEQLLSRL) を同定した。また、RENCA/hCA9を拒絶した若年マウスの脾細胞中のCD4陽性T細胞は、ヒトCA9を認識するすることが明らかになった。
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Research Products
(11 results)