2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of therapeutic strategy targeting the the molecule governing the differentiation of TAM
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17K07222
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村岡 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20608955)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腫瘍局所マクロファージ / 免疫チェックポイント療法抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の検討により、腫瘍局所マクロファージ(Tumor Associated Macrophage; TAM)の活性化や抗原提示能の獲得にIFN-γシグナルが重要であることが示された。そこで、本年度は、TAMの形質決定を担うシグナル分子の更なる探索を行った。昨年度までは、遺伝子操作マウスを用いた解析にて、TAMの性質決定を担う分子の探索・検討を進めたが、当実験系はシグナル分子の網羅的な探索には適していない。そこで、本年度は、TAMの性質決定に関わる分子のスクリーニング系を構築し、構築した実験系を用いてシグナル分子の探索を行った。まずは、スクリーニング系として、BALB/cマウスにCMS5aを皮下移植したマウスから腫瘍を回収し、培養後の形態変化を観察する系を構築した。当系がスクリーニング系として機能するかを検討する為、TAMの性質を転換するCpG ODNをプレートに添加しTAMの形態観察を行った。その結果、CpGがTAMの形態をスフェロイド様に変化させることがわかった。次に、このスフェロイド形成を指標としたスクリーニング系を用いて、TAMの形態変化を導くシグナル分子の探索を行った。シグナル阻害剤ライブラリーを用いた検討の結果、唯一IKKの阻害剤であるIKK-16の添加により、スフェロイドが形成された。TAMの性質が免疫チェックポイント阻害療法の治療効果と関係することが明らかになっている。そこで、当分子によるTAMの性質転換が免疫チェックポイント阻害療法の治療効果を改善するかを検討した。その結果、IKK-16の併用は免疫チェックポイント阻害療法の治療効果を有意に上昇させることが明らかになった。以上の結果は、NF-kbシグナルがTAMの性質決定に関わる可能性を示唆しており、当シグナルを標的とすることで、免疫チェックポイント阻害療法の治療効果の改善できる可能性を示している。
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Research Products
(3 results)