2017 Fiscal Year Research-status Report
経皮免疫法を用いたがんペプチドワクチンの基礎的研究
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17K07229
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
和氣 加容子 久留米大学, 付置研究所, 研究員 (40649597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 亮 久留米大学, 付置研究所, 教授 (50158177)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がんペプチドワクチン / 経皮ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスモデルを用いてケミカルピーリング経皮がんペプチドワクチンの開発を行っている。乳酸を用いたピーリング液でケミカルピーリング後にCTLエピトープペプチド(OVA257-264)溶液を塗布すると、抗原ペプチドは皮膚を浸透し、ペプチド抗原に特異的なT細胞受容体を発現する細胞を刺激し、増殖を誘導することがCFSE増殖アッセイで確認された。また、カーボポールを基剤としてワクチンの至適化を行い、アジュバント(イミキモド)とHMGB1阻害剤(グリチルリチン)を併用することにより、ペプチド(30ug)のみの皮下投与と同等の増殖を誘導することもCFSE増殖アッセイで確認された。 ケミカルピーリング経皮ワクチン(OVAペプチド+イミキモド+グリチルリチン)を2~3回投与したマウスの脾臓細胞を用いてインターフェロンガンマ産生のCD8T細胞をエリスポットアッセイで検出・確認し、OVAを発現する腫瘍細胞を皮下移植したマウスにケミカルピーリング経皮ワクチンを2~3回投与した治療系実験を行った場合、無処置群と比較し、腫瘍細胞の増殖抑制効果に違いが見られた。 これらのことは、ケミカルピーリングによる経皮ペプチドワクチンが抗原特異的免疫反応を誘導することができることを示唆している。抗腫瘍免疫において直接的に腫瘍細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の誘導と抗腫瘍(腫瘍縮小)効果の誘導が確認されたが、それらの効果を高める条件を決定し改善することが今後の課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請計画書における当該年度の予定において、3項目目の「ケミカルピーリング経皮ワクチンにおけるCTLの腫瘍局所への動員の検討」が実施されていない為。その代わりに、翌年度計画の2項目目の「ケミカルピーリング経皮ワクチンに適した免疫増強剤の開発・検討」を経皮ワクチンの至適化と並行して行っている。まだ、CTL誘導能の検討と抗腫瘍効果の検討も改善すべき段階であるので、「やや遅れている」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において計画申請書を基に進めていく予定であり、研究計画の変更は現時点ではない。 研究遂行における今後の課題として、CTL誘導能と抗腫瘍効果を高める為の改善が必須となる。一つは、アッセイの精度を高める。その為、CD8T細胞を分離してのエリスポットアッセイもしくは他の細胞傷害アッセイを実施する。二つ目に、ワクチン投与回数を増やす。投与回数を増やすと皮膚への負担が高くなるのは必須なので、それを軽減するためにケミカルピーリングやアジュバントの微調整を行う。
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Research Products
(8 results)