2019 Fiscal Year Annual Research Report
Selection of cell penetrating peptide with evolutionary molecular engineering specialized for siRNA delivery
Project/Area Number |
17K07232
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
多田 誠一 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (30598165)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞膜透過ペプチド / cDNAディスプレイ / in vitroセレクション / RNAi / 細胞内導入 / 進化分子工学 / 遺伝子発現抑制 / shRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は培養細胞を用いたcDNAディスプレイ複合体の選別に必要となる実験条件の検討を行った。本選別系では細胞内へのcDNAディスプレイ複合体の移行の有無を、複合体中のDNAリンカー部分に存在するフルオレセイン分子の蛍光に基づいて評価するため、個々の細胞において蛍光修飾リンカーの蛍光が検出できるような複合体添加量と細胞数の比を推定することが重要になる。このため、フルオレセイン修飾した既存の膜透過ペプチド(CPP)を合成して培養細胞に添加し、CPPの細胞内移行量と蛍光検出に必要な添加量の推定を行った。複数の既知CPPで検討した結果、個々の細胞内の蛍光の有無を検出するには少なくとも0.1μM以上のCPPを添加する必要があることが確認された。実際にcDNAディスプレイ複合体を用いて細胞内移行に基づいた選別をする場合、複合体全体の分子量はCPP単一分子よりも顕著に大きいため、細胞内移行量が低下する可能性が考えられる。そのため、選別時には培養細胞への複合体添加量をさらに増やす必要があると推定された。加えて、複合体が細胞内に移行し、蛍光を有するようになった細胞の選別にはセルソーターの利用を想定していたが、セルソーターでの細胞分取には少なくとも10の5乗個以上の細胞が必要とされているため、これまでの検討で得られていた複合体量のスケールアップ、もしくはより少ない細胞数での細胞分手法の検討が必要となった。以上の知見を踏まえ、今後も複合体生成法と細胞分手法の検討を同時に進行させ、RNAi効率に基づいたCPP選別法の確立に向けた検討を継続させていきたい。
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