2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel CAR-T cell therapy using a cancer-testis antigen CRT2
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17K07233
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
林 恵美子 (林恵美子) 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (10620130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 徹 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 成育遺伝研究部, 室長 (10436107) [Withdrawn]
佐野 誠 日本大学, 医学部, 准教授 (70339323)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CAR-T 細胞療法 / 癌精巣抗原 / 遺伝子細胞療法 / 癌免疫療法 / 固形癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年、癌免疫療法の一つとして期待されているキメラ抗原受容体発現T細胞療法(CAR-T細胞療法)に注目し、癌に対する新たな治療戦略を目指した基礎研究である。我々は、癌精巣抗原CRT2を認識するヒトCRT2(hCRT2)-CARレトロウイルスベクターを開発し、このベクターを用いてCRT2-CAR-T細胞を作製し、培養した。ヒトT細胞にhCRT2-CARレトロウイルスを高効率に感染させるため、PG13パッケージング細胞を用いてプロデューサー細胞を樹立した。プロデューサー細胞の培養上清であるhCRT2-CARレトロウイルス溶液を用いて、抗CD3抗体を添加した培地で3日間培養したヒト末梢血単核球細胞にレトロネクチン法により遺伝子導入し、その後インターロイキン2を添加した培地で約一週間培養することにより、hCRT2-CAR-T細胞を作製した。複数のヒト膵臓癌細胞株を用いてCRT2の発現をフローサイトメトリーで確認したところ、特にCapan-1細胞株に強発現が認められた。hCRT2-CAR-T細胞とCapan-1細胞株、コントロールとしてHEK293細胞株を用いて各々共培養を行なったところ、Capan-1細胞株に対するhCRT2-CAR-T細胞の抗腫瘍効果が認められた。次にヒト浸潤性膵管癌(PDAC)を模倣する膵癌モデルマウス(KPCマウス)を用いて抗腫瘍効果を検討するため、マウスCRT2(mCRT2)-CARをマウスT細胞に感染させるために、Plat-Eパッケージング細胞を用いたプロデューサー細胞を樹立した。このプロデューサー細胞の培養上清であるmCRT2-CARレトロウイルス溶液は高い力価が認められた。今後は、樹立したプロデューサー細胞を用いてmCRT2-CAR-T細胞を作製し、担癌モデルマウスに対するmCRT2-CAR-T 細胞の抗腫瘍効果を評価する予定である。
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