2018 Fiscal Year Research-status Report
Generic prediction of natural product biosynthetic pathways from large-scale measurement data
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17K07260
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小寺 正明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90643669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複雑骨格機能分子 / 二次代謝 / 天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の体内では,限られた数の生合成単位を原料として,多くの二次代謝産物が産生されている.複雑骨格を持つ機能分子の生合成機構を推定するには,その構造を生合成単位まで分解することが重要となる.そこで,本研究では,二次代謝産物の生合成単位を自動的に予測し,出発物質の同定や生合成経路推定の支援を行うプログラムの開発を目的とした. 本研究では,生合成単位の概念を拡張し,本来の意味のタイプA,代謝経路上の出発物質や重要な中間体であるタイプB,タイプBを構造変換したタイプCの三つのタイプに分類した.タイプBは二次代謝産物の生合成経路から収集され,タイプC(タイプA含む)はタイプBに構造変換ルールを適用して生成した.合計765種類の生合成単位がライブラリに収録された. 次に,クエリ分子に対する生合成単位の組合せを自動推定するアルゴリズム(以下,提案手法)を検討した.処理の流れを次に示す.生成したコンパクトな生合成単位ライブラリを利用して,クエリ分子を次々と分解し,クエリ分子から生合成単位までを結ぶネットワークを生成する.そこから得られるフラグメント間の関係を利用して,クエリ分子中の生合成単位の組合せ候補を生成する.最後に,クエリ分子を生合成単位ごとに色分けした化学構造を出力する. KEGG PATHWAY 1.10クラスにある28代謝マップ中の943化合物を対象として,予測結果の正誤を判定した.その結果,全体の約95.8%の化合物に対して正しく予測することができた.また,約92.5%の化合物に対しては1分以内に計算が終了し,組合せ爆発を回避できたことが示された. 予測に失敗した原因の約半数は部分構造検索に関するものであった.提案手法で用いた部分構造検索手法では,芳香族性の結合と通常の単結合または二重結合が区別された.その課題を解決するためには,部分構造検索手法を新規に開発する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英論文作成を進めており、間も無く投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展望として,生合成経路未知の二次代謝産物を生合成単位まで分解した後,各単位がどの順番で結合するか予測することで,生合成経路を予測できると期待される.
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Causes of Carryover |
論文作成が少し遅れ次年度に繰り越したため、次年度の使用額が必要。 次年度は論文の英文校正と投稿および学会発表に主に用いる。
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Research Products
(7 results)