2020 Fiscal Year Research-status Report
低カバレッジロングリードを用いた効率的ゲノム構造変異同定手法の確立
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17K07264
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小杉 俊一 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (30365457)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 構造変異 / ロングリード / 全ゲノムシークエンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
ロングリードを用いて構造変異(SV)を検出するツール(LRsv)を前年度までに開発を進めた。本ツールは、検出された挿入(INS)の配列解析により、それが周辺配列の重複(DUP)であるかどうかを判別することで、重複の検出精度、検出感度を大きく向上させた。当該年度においては、タンデム重複だけでなく、遠く離れた重複(interspersed DUP, interchromosomal DUP)を検出する機能をLRsvに付与した。さらに、挿入や重複がどのような配列(STR/short tandem repeat やレトロトランスポゾン)に由来するかをアノテーションする機能も併せてLRsvに付与した。 改訂したLRsvの機能を確認するために、NA12878サンプル由来の全ゲノムロングリードシークエンシングデータ(PacBio CCS long reads, 30x)を用いてSVの検出を行なった。その結果、約2万4千のSVが検出された(欠失:9,707、挿入:8,488、重複:5,718)。挿入のうちの588(7%)が周辺領域以外のゲノム領域に由来するDNA断片の重複(interspersed DUP, interchromosomal DUP)であった。さらに、挿入のうちの54.5%がSTR領域内の挿入であり、19.8%がレトロトランスポゾン由来配列であった。また、重複においても、57.8%が周辺STRのタンデム重複であり、10%が周辺レトロトランスポゾン配列の重複であった。これらの解析結果は、従来報告されていない新たな知見であり、同時にLRsvツールの有用性を示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
構造変異検出手法の開発の面で研究が進んでいる面があるが、当該年度で計画していた検出した構造変異の実験的確認作業を行うことが出来なかった。この理由として、他の研究プロジェクトに時間を取られたことや、コロナ禍の影響で実験の環境を整えることが困難となったことが挙げられる。このため、本研究課題は2021年度まで延長して進めることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
検出した構造変異のPCR等を用いた実験検証を行い、LRsvの開発 とLRsvを用いた解析結果を1つの論文にまとめる。機械学習を用いた構造変異検出精度向上手法についても、種々のデータを組み合わせて再解析し、結果を論文 にまとめる。
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Causes of Carryover |
現在までにロングリードを用いた高精度な構造変異検出法を確立しているが、より精緻に検出精度を評価するために、 種々のデータを用いた検出精度評価やPCR 等による確認実験による検証を行い、論文投稿を行う必要があるため。使用計画として、実験検証のための受託解析や試薬等の購入、および論文投稿のための論文校閲費、出版費に用いる計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Prevalence and spectrum of pathogenic germline variants in Japanese patients with early-onset colorectal, breast, and prostate cancer.2020
Author(s)
Xiaoxi Liu, Sadaaki Takata, Kyota Ashikawa, Tomomi Aoi, Shunichi Kosugi, Chikashi Terao, Nicholas F. Parrish, Koichi Matsuda, Hidewaki Nakagawa, Yoichiro Kamatani, Michiaki Kubo, and Yukihide Momozawa
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Journal Title
JCO Clinical Oncology
Volume: 4
Pages: 183-191
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] tappAS: a comprehensive computational framework for the analysis of the functional impact of differential splicing.2020
Author(s)
Lorena de la Fuente, Angeles Arzalluz-Luque, Manuel Tardaguila, Hector del Risco, Cristina Marti, Sonia Tarazona, Pedro Salguero, Raymond Scott, Alberto Lerma, Ana Alastrue-Agudo, Pablo Bonilla, Jeremy R.B. Newman, Shunichi Kosugi, Lauren M. McIntyre, Victoria Moreno-Manzano, and Ana Conesa
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Journal Title
Genome Biology
Volume: 21
Pages: 119
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research