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2018 Fiscal Year Research-status Report

Construction of transcription related database of C4 grass plant, Sorghum bicolor and its application

Research Project

Project/Area Number 17K07265
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

蒔田 由布子  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (80443026)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords転写開始点 / TSS / ソルガム / CAGE
Outline of Annual Research Achievements

ソルガムは世界五大穀物の一つであり、環境ストレスにも強いため、バイオエタノール生産植物として注目されている。ゲノム配列は公開されているものの、それ以外のリソースに著しく不足している。そこで高糖性・高バイオマス研究への応用や、環境ストレス耐性メカニズムの解明のためのリソース整備として、ソルガムのトランスクリプトーム情報基盤の整備・公開を行なう。
本研究では特に、糖蓄積器官の異なる2系統の発現比較を行なうことで、品種間の発現量、転写制御の比較を進めている。H29年度に取得したRNA-seqデータに加え、今年度は、糖を茎に蓄積するスィートソルガムと穂に蓄積するグレインソルガムの種子、葉、小穂において、CAGE法によりゲノムワイドな転写開始点情報を得た。これらのデータから組織間と系統間の発現比較、転写開始点の比較を行った。その結果、糖合成に関与する遺伝子であるSucrose synthaseにおいて、組織依存的なオルタナティブな転写開始点が見つかった。糖合成遺伝子を含むオルタナティブな転写開始点の中には、転写開始点を変えることでタンパク質の5末配列を短かくし、局在の異なる複数のタンパク質を合成していると予測される遺伝子も見つかってきている。また転写後調節に関与するuORF (upstream open reading frame)の候補転写開始点も見つかり、ソルガムにおいても転写開始点を変えることで、翻訳の調整が行われていることが示唆された。正確な転写開始点を得ることで、RNA-seqだけでは得られない、ソルガムの転写制御の様子が明らかになっている。プロモータ配列の解析では、Arabidopsis同様にCpG配列がないことや、TATA配列やInr配列などのコアプロモータの存在が明確になり、転写因子の結合配列の予測においても重要となる情報を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度、RNA-seqを進める段階で茎に糖を蓄積するスィートソルガム(Keller)の種子におけるRNA取得の困難を解決していたため、今年度は計画通りにRNAを取得し、CAGEデータを得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

最終年度にあたる2019年度においては、gDB-Seq法を用いて、ソルガムの転写因子の結合配列をゲノムワイドに探索する。gDB-Seq法とは、in vitroで転写因子が物理的に結合できるゲノム上の部位を同定するハイスループットな手法である。具体的には、転写因子を無細胞系タンパク質合成装置で合成させておく。(その際、完全長cDNAライブラリが活用できる。)また転写因子には、免疫沈降により選別できるようにHAエピトープタグを付与しておく。一方で、ソルガムのgenomic DNA(gDNA)を断片化させておき、合成した転写因子に結合させる。転写因子が結合した配列のみを次世代シーケンサーで読むことで、被制御遺伝子と結合モチーフを予測することができる。
転写因子の中でも、ソルガムの乾汁性に関わる遺伝子の転写を制御するDry遺伝子と、農業形質として重要なの避陰反応において重要な転写因子であるHY5とそのホモログのHYHに注目し、解析を進める。Dry遺伝子においては、蓄積器官の異なる2系統間の比較から遺伝子の制御比較を進める。またHY5においては、Arabidopsisにおいても研究が進んでおり、ソルガム内の比較に加え、Arabidopsisとの種間比較も進める。今年度取得するgDB-Seqデータと昨年度までにすでに取得したCAGE, RNA-Seqを合わせることで、多角的な転写ネットワーク情報を公開する。本研究で取得したデータはMOROKOSHIデータベースから公開し、データベースとしての論文化を進める。

Causes of Carryover

スィートソルガムの種子からのRNAの取得においては、RNAが綺麗に取れずにデータを再取得する可能性が高く、その分を計上していた。今年度はなんとか十分量のデータを得ることができたので、次年度に計上した。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Comparison of Expression profile of grain and sweet sorghum by using CAGE methods2019

    • Author(s)
      Minami Matsui, Tomoko Kuriyama, Mika Kawashima, Haruka Shimohira, Yuko Makita
    • Organizer
      第397回生存圏シンポジウム クリーンエネルギー生産に向けたリグノセルロース分子育種の現状と展望
  • [Presentation] ソルガムのマルチトランスクリプトーム解析と遺伝子導入技術の応用2018

    • Author(s)
      Tomoko Kuriyama, Yuko Makita, Mika Kawashima, Setsuko Shimada and Minami Matsui
    • Organizer
      ソルガム研究会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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