2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of quasi-natural populations in wild wheat species and its sustainable utilization
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17K07272
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 直樹 神戸大学, 農学研究科, 教授 (60230075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 野生二粒系コムギ / 野生チモフェービコムギ / 栽培化 / 遺伝的多様性 / 自然集団 / 遺伝資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、消失の危機にある栽培化起源地の野生コムギ集団を持続的・発展的に利用するため、自然集団の多様性を反映させた擬似自然集団の育成とその利用・解析に取り組んできた。 これまでに自然集団で採集し共同研究先であるチュクロワ大学に保存中の採集サンプルから、現地の地理的条件なども考慮し11の野生4倍性コムギの自然集団からそれぞれ15~80の小穂を無作為に取り出し、小穂ごとに1粒の穎果を選んで識別番号をつけた。ろ紙を敷いたシャーレにこれらを播種し、発芽した頴果をプラスチックポットに仮植えした。チュクロワ大学の共同研究者(オズカン教授)に依頼し、これらの植物を平成29年12月にチュクロワ大学構内の実験圃場に定植した。定植された植物は408個体あり、これらの系統を平成30年4月から5月にかけて現地で自家受粉させ、6月にその種子を収穫した。一部の個体で収穫できなかったものがあり、合計337個体から次世代の種子を得ることができた。これらは貴重な「疑似自然集団」のサンプルとしてチュクロワ大学の摂氏4度の冷蔵庫で保管し、今後公開できるように交渉を進める予定である。 上記の集団の一部については、葉緑体DNAの解析まで進み、集団内の遺伝的多様性と栽培化起源地について重要な知見が得られつつある。一方、現地の状況不良により、DNA抽出のための葉組織のサンプリングができなかったものが多数出た。そこで、上記のコレクションから野生4倍性コムギの5集団から221個体を選んで合計平成30年10月に播種しなおしたが、現地の状況が悪く、栽培を全うできなかった。そのため、2019年9月と11月にトルコへ渡航し、上記の5集団に新たに2集団を加えて計7集団から288個体をランダムに抽出して再度播種した。
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Research Products
(8 results)