2020 Fiscal Year Annual Research Report
Emerging links between transcription and RNA export in HIV-1 gene expression
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17K07283
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 一郎 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (00467432)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
HIV-1のモデルRNAを用いた試験管内反応系の実験から、HIV-1の転写伸長とスプライシングを促進する因子Tatと、核外輸送を誘導する因子Revが、共通のウイルスRNA領域に相互排他的に結合することを見出していた。また、TatはモデルRNAのスプライシング反応を促進する一方、Revは抑制することがわかっていた。これらの試験管内反応系の結果をもとに、HIV-1の遺伝子発現に関する以下の仮説を立てた。初期ではTatがスプライシング反応を促進する活性によってTat自身とRevの発現を誘導する。後期になるとRevがスプライシング反応を抑制することによって、イントロンを含むRNAから産生される構造タンパク質の発現が誘導される、という仮説である。つまり本研究の焦点は、Revにスプライシング反応を抑制する新規活性があることを証明することである。これまで、Revが共通配列依存的に構造タンパク質の発現を増強する結果を得ている。これは上記仮説を支持するものである。 2020年度では、Revの新規活性について生細胞で検証した。TatとRevが相互排他的に結合する領域を欠損したウイルスRNAを発現するプラスミドDNAをヒト培養細胞にトランスフェクションし、産生されるウイルスRNAをRT-PCR法によって調べた。しかし、Revがイントロンを含むRNA量を上記結合領域依存的に増加するという結果は得られていない。Revによるスプライシング反応の抑制を証明するまでには至っておらず、Rev発現プラスミドをあらかじめトランスフェクションするなどの条件の変更が必要であると考えている。
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Research Products
(3 results)