2019 Fiscal Year Annual Research Report
Peroxisome homeostasis and its regulation via phoshorylation
Project/Area Number |
17K07310
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥本 寛治 九州大学, 理学研究院, 助教 (20363319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ペルオキシソーム / リン酸化 / タンパク質輸送 / 酸化ストレス / カタラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ペルオキシソームは極長鎖脂肪酸のβ酸化や過酸化酸素の分解等多くの重要な代謝経路を有する細胞内小器官であり、その代謝機能を担うタンパク質(酵素)の多くはペルオキシソーム内部(マトリクス)に局在している。ペルオキシソーム形成因子の一つであるPex14pはマトリクスへのタンパク質輸送の中心的分子として機能する。これまでに、動物培養細胞においてPex14pがリン酸化修飾を受け、マトリクスタンパク質の輸送を調節することを示唆する結果を得ていた。本申請課題では、細胞内外の環境変化に応答した細胞内シグナル伝達およびPex14pリン酸化修飾によるペルオキシソーム機能の制御機構を解明することを目的とする。 本年度は、H30年度に引き続き酸化ストレス依存的なリン酸化修飾によるPex14pの機能制御の分子機構について、より詳細な解析を進めた。過酸化水素処理したラット肝臓由来Fao細胞から免疫沈降法により精製したPex14pを質量分析計に供することで、内在性Pex14pにおける過酸化水素依存的なリン酸化セリン残基を3箇所同定することに成功した。これらのセリン残基を置換したPex14p変異体を用いたさらなる解析の結果、Pex14pのリン酸化がとくに過酸化水素分解酵素カタラーゼの輸送を抑制することでサイトゾル局在性カタラーゼ量を増加させ、細胞の酸化ストレス抵抗性を高めるという新たな抗酸化ストレス応答機構の発見に至った。また関連する成果として、ヒト全遺伝子に対する網羅的な機能阻害スクリーニングにより過酸化水素によるストレス毒性の制御に関わる遺伝子群の発見に成功し、上記の解析とは独立に細胞の酸化ストレス抵抗性獲得におけるサイトゾル局在性カタラーゼの重要性を示した(Dubreuil et al. Cell Rep. 2020)。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Systematic identification of regulators of oxidative stress reveals non-canonical roles for peroxisomal import and the pentose phosphate pathway2020
Author(s)
Dubreuil M.M., Morgens D.W., Okumoto K., Honsho M., Contrepois K., Lee-McMullen B., Traber G. M., Sood R.S., Dixon S.J., Snyder M.P., Fujiki Y., and Bassik M.C.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 30
Pages: 1417~1433.e7
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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