2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structures and assembly mechanisms of the molecular bushing allowing high-speed rotation of the bacterial flagellar motor
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17K07318
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
松波 秀行 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, 研究員 (80444511)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細菌べん毛 / 分子軸受け / シャペロン / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌べん毛のFlgI/FlgA複合体のX線結晶構造解析を目指して結晶化条件の検索を続けてきたが、これまで複合体の結晶化には成功していない。そこで、FlgI/FlgA複合体の構造基盤を明らかにするためにクライオ電子顕微鏡での構造解析を試みた。予想されるFlgI/FlgA複合体の分子量は100 kDa にも満たず、画像解析を行う上で問題となりうるため、アフィニータグを融合してFlgI/FlgA複合体の見かけの分子量を大きくすることでクライオ電子顕微鏡による画像解析を容易にする工夫を行なった。いくつかのアフィニータグの候補からマルトース結合タンパク質を選択し、FlgI との結合に関与するFlgAのC末端側を避けてN末端側に融合させた。また、FlgI/FlgA複合体の精製を容易にするためのヒスチジンタグはマルトース結合タンパク質のN末端側に併せて導入した。さらに、このマルトース結合タンパク質融合型FlgAはシグナル配列を有しており細胞内からペリプラズム領域に移行した後、FlgIと複合体を形成できるように設計されている。マルトース結合タンパク質融合型FlgAとFlgIを共発現させて複合体を精製したところ、FlgAにヒスチジンタグのみを融合した場合に比べて、マルトース結合タンパク質融合型FlgAではFlgIへの結合能が低下し、複合体の形成が減少することが判明した。FlgAに融合したマルトース結合タンパク質による立体障害によってFlgIとの結合を低下させる可能性を示唆した。もしくは、融合したマルトース結合タンパク質がFlgAの構造に影響を与えた可能性も考えられ、クライオ電子顕微鏡によるFlgI/FlgA複合体の構造決定には至っていない。
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