2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of functional regulatory mechanism of human globin protein that acts as a regulator of G protein
Project/Area Number |
17K07329
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若杉 桂輔 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20322167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 蛋白質間相互作用 / 蛋白質工学 / 酸化ストレス / 細胞保護 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト脳神経細胞内に存在するニューログロビン(Ngb)は、酸化ストレスに伴う神経細胞死を防ぎ、また、通常酸素濃度正常状態では神経突起伸長を促す。最近、ヒトNgbがトリプトファン(Trp)代謝酵素と相互作用することがyeast two hybrid screeningによる網羅的探索の結果、示唆された。最終年度は、Trp代謝酵素とヒトNgbとの蛋白質間相互作用に着目し、ヒトNgbの機能制御機構のより詳細な分子レベルでの解析、及びその生理学的意義の解明を目指した。その結果、ヒトNgbは、酸化ストレス下にTrp代謝酵素と結合し、Trp代謝酵素の活性を制御することが明らかになった。また、本プロジェクトでは、免疫寛容の誘導に関わる細胞外から細胞内への高親和性Trp輸送にトリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)が重要な働きをすることを解明した。さらに、最終年度、TrpRSを介する高親和性Trp輸送機構にTrp代謝酵素が関与することを明らかにした。現在、この高親和性Trp輸送機構におけるNgbによる制御について解析しているところである。これまで本プロジェクトでは、蛋白質工学的手法を用いて、ヒトNgbの作用機序の解明、及び、蛋白質間相互作用に着目した機能制御機構の解明に挑んできた。具体的には、以前創製したキメラZHHH Ngbに着目し、ヒトNgbの神経突起伸長作用に重要なアミノ酸残基を特定することに成功した。また、キメラZHHH Ngbに、視神経損傷後の軸索再生能があることを発見した。さらに、キメラZHHH Ngbの蛋白質工学的改良にも挑んだ。また、脂質ラフト構成蛋白質であるフロチリン-1とNgbとの相互作用部位の解明や、グロビン蛋白質によるG蛋白質の活性制御機構の探索も行った。
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Research Products
(5 results)