2018 Fiscal Year Research-status Report
核小体ストレスによるユビキチン様タンパク質MNSFβの脱凝集化と細胞増殖制御
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17K07335
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中村 守彦 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (20155865)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユビキチン類似タンパク質 / 核小体ストレス応答 / 分子シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室で発見したユビキチン類似タンパク質であるMNSFβは、多様な生物活性を示し、様々な生命現象に関与する。例えばMNSFβは標的タンパク質であるBcl-Gとイソペプチド結合して、アポトーシスやファゴサイトーシスを制御する。 MNSFβは非常に凝集性が高く、リコンビナント型でさえ容易に活性を失う。昨年度は、MNSFβの脱凝集化に寄与する分子シャペロンHSPA8を同定し、核小体ストレス応答における重要な役割を明らかにした。本年度は、新たに分子シャペロンHSC60を同定し、その作用機序について検討した。本来、HSP60はミトコンドリア内でタンパク質の折り畳みに働くが、細胞質内にも存在することを、マクロファージ系細胞株Raw264.7を用いて明らかにした。そして、核小体ストレスなどの刺激により、その発現が増大することを確認した。HSP60 siRNA処理により、MNSFβ siRNAのアポトーシス抑制効果が中和されたことから、HSP60はMNSFβの生理活性を負に調節すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って順調に遂行し、概ね結果を伴っている。特に、凝集性が高いMNSFβの安定化に働く分子シャペロンHSP60を新たに発見し、核小体ストレス応答における機能を検証できた。加えて、MNSFβによる細胞増殖制御についても一部、明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
① MNSFβの核小体局在と脱凝集化を伴う細胞質移行の意義をさらに詳細に検討する。 ② MNSFβ遺伝子(fau) は、ユビキチン様タンパク質 (MNSFβ) とリボゾームタンパク質S30との融合遺伝子であり、後者の機能について明らかにする。 ③ 核小体ストレに応答した MNSFβによる細胞増殖調節機序を解明する 。
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Causes of Carryover |
計画通りに研究を進めたところ、新しい標的タンパク質分子シャペロンHSP60を発見した。この成果を本来の研究計画に沿って有効に活用するため、本年度計画の一部(siRNA干渉実験およびタンパ質化学実験)を次年度に実施することとした。 この計画変更により、一層有益な研究成果を達成できると期待される。
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Research Products
(4 results)