2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of the vesicular ascorbic acid transport system
Project/Area Number |
17K07336
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
表 弘志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10273707)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アスコルビン酸 / デヒドロアスコルビン酸 / ノルアドレナリン / ドーパミンβヒドロキシラーぜ / 小胞型トランスポーター / 輸送 / 副腎 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスコルビン酸は必須ビタミンの一つとして、コラーゲンや胆汁酸の合成、鉄の吸収促進、ラジカルの除去など、生命の生存に必須な役割を果たしている。アスコルビン酸の欠乏は壊血病等の疾患を引き起こす事からその生理機能や作用機序の解明の重要である。 神経化学の分野においては、アスコルビン酸はドーパミンからのノルアドレナリン・アドレナリンの生合成という極めて重要な役割を果たしている。ドーパミンは小胞型モノアミントランスポーター(VMAT)によって分泌小胞内に運び込まれ、その後小胞内のドーパミンβヒドロキシラーゼ(DβH)により、ノルアドレナリンになる。DβHはこの際に補酵素としてアスコルビン酸を必要とする。 ノルアドレナリンを合成している副腎髄質クロマフィン細胞に存在するクロマフィン顆粒にはアスコルビン酸が蓄積していることが古くから知られていた。しかし、どのようにしてアスコルビン酸が顆粒内に輸送・蓄積しているのか不明なままであった。本研究ではアスコルビン酸を顆粒内に輸送するトランスポーターを同定し、蓄積のメカニズムを明らかにすることを目的とした。 PCR法による発現解析からグルコーストランスポーターがクロマフィン細胞に存在していることが示された。また、特異的抗体を用いた免疫組織化学的手法からクロマフィン顆粒にこのトランスポーターが存在していることが示唆された。さらに、単離した顆粒を用いたウエスタンブロット解析および精製トランスポーターを用いた解析などから、このトランスポーターがアスコルビン酸の蓄積に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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