2018 Fiscal Year Research-status Report
炎症反応制御因子mTOC(セラストラマイシン結合タンパク質)の生理機能解析
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17K07346
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | mTOC / MTR4 / C1D |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が見出した新規炎症制御因子であるセラストラマイシン結合タンパク質(mTOC)の機能解析を行い、その生理的重要性を明確にするものである。これまでに申請者によって得られた実験結果から、mTOCはMTR4・C1Dなどの核エキソソーム関連タンパク質やDNA、RNAと相互作用することが明らかとなっている。mTOCとMTR4の結合解析実験では、昨年度に引き続き、MTR4を動物細胞における過剰発現系を用いて調製し、これと同じく動物細胞の過剰発現系を用いて調製したmTOCとの結合について、MTR4に付加したタグを用いたプルダウンアッセイにより評価した。mTOCの部分欠失体を作成し、MTR4との結合を調べた実験では、mTOCの一定領域を削除した部分体(A)とそこからさらに6 アミノ酸を削除した部分体(A-6)において、挙動の違いが明確に観測された。この結果から、mTOCのMTR4との相互作用に必要な領域が同定できたと考えられた。一方、無細胞系タンパク質合成システムを用いて作成した、mTOC部分体とMTR4との相互作用解析では、該当するアミノ酸を含んでいる場合でも、MTR4との結合は観測されず、当該アミノ酸に隣接する領域をmTOC部分体に付加させた場合にのみ相互作用が観測された。これらの結果を受けて、MTR4-mTOCの相互作用を明快に説明するための論理構成を行っている。一方mTOCと相互作用する非ヒストンクロマチンタンパク質C1Dの生理機能解析を行った実験では、C1Dノックダウン細胞がUVストレスの影響を受けやすいことが判明した。申請者の先行研究において、mTOCは間接的にDNA修復系タンパク質ERCC1と相互作用することがわかっていたので、C1Dについても詳細な解析を行い、最終的に論文化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度の途中で所属の変更があったため。所属の変更に伴い、住居の移動、機材の移動、それに伴う手続き、研修、新所属におけるセットアップ等を行う必要があり、研究が一時中断したため。所属の変更は当初予定していなかったものである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要において記述していたように、mTOCとMTR4との相互作用は単純にペプチドーペプチド間の相互作用に帰着できず、多点間の相互作用による複雑なものである可能性がある。この点について詳細な検討を行いたい。また動物細胞で発現させたmTOCを精製する系においてはスケールアップをすることができるようになったため、物理化学測定を行うことが計算できるようになってきた。mTOCとRNAとの相互作用を物理化学的に測定する実験に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
一部の物品の発注が平成31年度にずれ込んだため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は平成31年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)