2018 Fiscal Year Research-status Report
イメージング解析によるEGF受容体シグナル制御機構の解明
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17K07347
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田邊 賢司 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80423341)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EGF受容体 / ハイコンテントスクリーニング / 化合物スクリーニング / シグナル伝達 / イメージング解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞画像解析と既知薬理活性化合物ライブラリーを用いてEGF受容体シグナル伝達経路の解析を進めている。主に研究代表者が構築したハイコンテントスクリーニングのシステム(Tanabe, Sci. Rep. 2016)を用いて、蛍光染色した細胞画像から大量の画像特徴量を定量化し、数理解析によって分子機構を推定する。昨年度は本システムのロバスト性を検証し、得られる実験結果の信頼性を確認した(Tanabe et al., SLAS Discov. 2018、Tanabe, Int. J. Mol. Sci. 2017)。ここで確立された実験系を用いて、今年度は既知薬理活性化合物ライブラリーを用いた実験データの収集・解析を行った。 肺がん由来の細胞株A549細胞を化合物存在下でEGF刺激し、主要なシグナル伝達分子を免疫蛍光染色によって可視化し、細胞表現型の経時的変化を評価した。自動化した蛍光顕微鏡で1サンプルあたり600程度の細胞を撮影し、画像解析によって細胞ごとに特徴量抽出を行った。得られた特徴量を用いて、主に教師なし機械学習による化合物評価を行う。主要な実験と画像解析は既に終えており、得られた結果の解析と検証を順次始めている。得られた結果の一部からは既存化合物の新規オフターゲット分子が見つかっており、その成果は国内外の学会で発表している(第77回日本癌学会学術総会、HIGH CONTENT 2019、SLAS 2019)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライブラリーを用いた実験は概ね予定通り進められ、解析も順調に進んでいる。イメージング装置の故障等が生じて2ヶ月弱程度の中断が生じたものの、研究全体の進行には大きな影響は生じていない。全体の解析はまだ進行中であるが、一部のデータからは期待された結果も得られている。昨年度に時間をかけて実験系全体の検証を行ったため、比較的スムーズに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
主要な実験と画像解析、統計解析は概ね終了している。複数の新規制御因子が推定されており、確認実験を順次進める。得られた成果について、学会や論文を通じて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
実験全体は概ね順調に進んでおり、一部の解析結果から国内外での成果発表を行った。それに伴い、発表を通じて得られた情報をもとに検証実験の再考を行うなど、一部検証実験の予定を変更している。そのため、主な追加実験にかかる費用が次年度に繰り越す形となっている。
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