2019 Fiscal Year Annual Research Report
Image analysis of EGF receptor signaling pathway
Project/Area Number |
17K07347
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田邊 賢司 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80423341)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ハイコンテントスクリーニング / EGF受容体 / 化合物ライブラリー / シグナル伝達 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存薬理活性化合物ライブラリーを用いて、EGF受容体シグナル伝達経路に関与する分子の同定・解析を進めた。自動化顕微鏡と画像解析によるハイコンテントスクリーニングシステム(Tanabe, Sci. Rep. 2016)を用いて、化合物が与える影響を定量的に解析・評価した。昨年度に引き続き、既知薬理活性化合物ライブラリーを用いた実験データの収集・解析を行った。 EGF刺激した肺がん由来の細胞株A549細胞を一定時間経過後に固定し、主要なシグナル伝達分子を免疫蛍光染色によって可視化した。各化合物を添加した際の影響を画像解析によって定量的に評価した。得られた画像特徴量を用いた階層的クラスター解析によって、化合物を細胞表現型により分類した。分類された化合物は多くの場合で共通した標的分子を持っていたが、中には既知の標的分子では説明できない表現型を示す化合物も見られた。それらの化合物を生化学的手法によって解析したところ、オフターゲットとして共通の標的分子を有していること、その標的分子を阻害した影響が細胞表現型に大きく寄与していたことが明らかとなった。これらの成果は、本アプローチが既存薬理活性化合物の重要なオフターゲット分子を明らかにする有効な手法であることを示している。一方、EGF受容体シグナル伝達経路への関与が知られていない標的分子としてプロテアソームなどが見つかった。更にRNAi実験によって特定のプロテアソームサブユニットを明らかにし、プロテアソームがEGF受容体からのシグナル伝達に重要な働きを持つことを明らかにした。これらの成果は、EGF受容体シグナル伝達経路の新たな分子機構解明につながると期待される。
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