2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K07355
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
久保山 和哉 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (20619671)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG) / 糖鎖 / 細胞分化 / OL1細胞 / AFAP1L2 / チロシンリン酸化 / AKT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、コンドロイチン硫酸糖鎖によるオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPCs)のオリゴデンドロサイトへの分化・成熟およびミエリン鞘形成の調節メカニズムの解明を目的としている。PTPRZは、その細胞外領域がコンドロイチン硫酸糖鎖によって修飾されているユニークな受容体型タンパク質チロシン脱リン酸化酵素(RPTP)である。我々はこれまでに、OPCsの分化・ミエリン化および再ミエリン化がPTPRZによって抑制されていること(Kuboyama et al., Plos One 7: e48797, 2012; Kuboyama et al., J Neurosci 35: 12162-12171, 2015)、PTPRZの細胞外コンドロイチン硫酸糖鎖はその脱リン酸化酵素活性の維持に関わっていること(Kuboyama et al., J Biol Chem 291: 18117-18128, 2016)、また、プロタミンと呼ばれるペプチド分子がPTPRZの細胞外コンドロイチン硫酸糖鎖に作用してPTPRZの会合を促進し、その酵素活性を抑制し、オリゴデンドロサイトの分化を促進すること(Kuboyama et al., Plos One 12: e0189164, 2017)などをなどを見出してきた。当該年度は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの一種であるPTPRZが、どのようなメカニズムでOPCsの分化を調節しているのか、その細胞内シグナル経路の解明を目指した。その結果、PTPRZの新たな基質分子としてAFAP1L2が見出された。プレイオトロフィンなどのリガンド分子がPTPRZの脱リン酸化活性を抑制することによって、AFAP1L2のリン酸化レベルが上昇し、その下流シグナルとしてPI3キナーゼの活性化を介してAKTおよびmTORが活性化することによって、OPCsの分化が促進されていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに研究実施を行えている。 成果の一部は既に査読付き国際学術雑誌で発表した(Glia 67: 967-984, 2019)。
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Strategy for Future Research Activity |
OPCsの分化に対して、PTPRZの細胞外領域と、細胞内脱リン酸化酵素活性との機能を分離した解析を行うために、我々が独自に作成したノックインマウス(Ptprz-CSマウスおよび、Ptprz-⊿D2マウス)を用いた解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)