2019 Fiscal Year Annual Research Report
Search for important sites in protein structure formation and elucidation of selection factors in their evolution
Project/Area Number |
17K07368
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
高野 和文 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40346185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命活動に不可欠なタンパク質は、そのアミノ酸配列に起因して特異的な立体構造を形成し機能を発揮する。また、タンパク質は生物進化の過程でアミノ酸変異を繰り返し・蓄積しており、相同タンパク質で知られるように、同じ機能のタンパク質は類似のアミノ酸配列と構造を有する。この相同タンパク質のアミノ酸配列アライメントでは、部位によりアミノ酸の保存度が異なる。一般に、保存度の高い部位は機能・構造に重要で、保存度の低い部位はアミノ酸置換が可能であると考えられる。しかし、保存度の低い部位でも安定性低下を引き起こす致命的変異があること、重要でない部位でも進化の過程で変異が生じずに保存されていることが先行研究から分かった。つまり、配列アライメントから機能・構造に重要な部位を特定することは困難で、実験による検証を通して重要部位の探索・同定をする必要がある。本研究では、本研究室で進めている分子進化研究を応用し、新たなタンパク質の立体構造形成における重要部位探索法の構築を行った。モデルとして、好熱性タンパク質であるTk-subとSto-Estを用いて、ランダム変異を導入する進化実験を行い、不活性変異体の同定や変異体ライブラリー・相同タンパク質配列アライメントの比較から、重要部位の同定が可能か実証するとともに変異部位と配列アライメントとの関係を調査した。 高保存度部位の変異が失活に繋がり、低保存度部位の変異は活性に影響しないという一般論通りの結果も得られた一方、一部の高保存度部位の変異は活性に影響しないこと、低保存度部位の変異でも失活に繋がる場合があることが明らかとなった。特に、高保存度部位では、タンパク質外部の疎水性アミノ酸が変異に寛容であることや、低保存度部位でもα-ヘリックスに関与するアミノ酸は致命的部位になり有ることなどの知見が得られた。
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