2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on the electrophysiological characteristics and structure of the novel Ca2+ permeable mechanosensitive channels of plants
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17K07370
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉村 建二郎 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (10230806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 秀利 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (70124435)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機械受容チャネル / カルシウム calcium / シロイヌナズナ Arabidopsis / リポソーム liposome / 電気生理学 electrophysiology / パッチクランプ patch-clamp / 試験管内タンパク質合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シロイヌナズナのCa2+透過性機械受容チャネルMCA1とそのパラログであるMCA2の構造と機能を明らかにすることを目的に実験を行った。我々の先行研究により、N末端から173番目までのアミノ酸残基からなる切り詰め型タンパク質(MCA1[1-173]とMCA2[1-173])は酵母細胞に発現させたとき、Ca2+流入を引き起こすことが明らかになっており、昨年度の研究で、このMCA1[1-173]とMCA2[1-173をコムギ胚芽無細胞タンパク質合成法で合成し、精製することに成功している。本研究では、MCA2[1-173]の方が量的に多く精製できたので、電気生理学による活性測定にはMCA2[1-173]を用いた。 MCA2[1-173]をリン脂質と混合し、リポソームに再構成したプロテオリポソームを作成した。dehydration-rehydration法により、巨大リポソーム膜を形成させ、その膜をパッチクランプし、電流の発生を計測した。その結果、電圧をかけると開くチャネルがあることが分かった。さらに、パッチクランプピペットに陰圧を与えることによりパッチ膜に張力を発生させると、張力の大きさに応じてチャネルが開く頻度が高くなった。機械受容チャネルの阻害剤であるクモ毒素由来のペプチドGsMT4を投与したところ、電位依存的に開く性質は阻害されなかったが、機械刺激に応じて開く確率があがることはなかった。上記の結果は、MCA2[1-173]が機械受容チャネルであることを明確に示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
切り詰め型MCA2タンパク質であるMCA2[1-173]を使って、パッチクランプによりチャネル電流を測定することに成功した。さらに、MCA2[1-173]が、電位依存的にも機械刺激依存的にも開く確率が高くなる機械受容チャネルであることを示すデータを取得することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
切り詰め型MCA2タンパク質であるMCA2[1-173]を使って、機械受容チャネルとしての基本的性質(機械受容性、開確率、イオン選択性、阻害剤の効果など)を定量的に記述するデータを得る。
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Causes of Carryover |
消耗品を最後に購入したが、助成金額にぴったりとは合わなかったため、次年度使用額が生じた。 2019年度は、全額消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(13 results)