2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K07377
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
須田 恭之 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10553844)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生体膜 / 膜輸送 / 出芽酵母 / 胞子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新規膜構造形成のメカニズムを出芽酵母の前胞子膜形成をモデルとして明らかにすることを目的として行った。細胞内膜輸送における輸送小胞のターゲット膜との融合は次のような過程で進行する。1)GTP交換因子により活性化したRab GTPaseが輸送小胞上にターゲットされ、2)RabGTPaseのエフェクターとして繋留複合体がリクルートされる。続いて、3)SNARE分子の会合により小胞とターゲット膜が融合する。この一連の過程は多くの生物で共通しているが、ターゲット膜が存在せず細胞内に全く新しい膜構造が生成される過程については未知な点が多い。すなわち、新規膜構造形成ではドナーとなる小胞同士の融合により新たなターゲット膜が生成すると考えられ、小胞同士の融合が不可欠である。そこで申請者は、細胞内新規膜構造形成のモデルとなる出芽酵母の胞子形成における前胞子膜形成に関して解析を進めている。 これまでに申請者は、前胞子膜形成過程においてスイッチとして機能するRab GTPase Sec4の活性化が機能することを示した。しかしながら、Rab GTPaseの下流にてどのような因子が機能するか、その詳細については解析が進んでいない。本研究では、Rab GTPaseの下流で機能しうる繋留複合体に焦点を当て、ポストゴルジ小胞がどのように繋留から融合を経て前胞子膜を形成するか解析を行った。 今年度は条件特異的機能欠損株(デグロン株)を作製して解析を試みた。その結果、繋留複合体分子のいくつかは胞子形成に重要であることがわかった。また、前胞子膜形成にはポストゴルジ小胞以外のドナーの寄与が新たに示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤によりターゲットタンパク質をプロテアソーム依存的に分解する系を用い、出芽酵母の減数分裂および胞子形成時特異的にターゲットタンパク質の分解を試みた。前年に、減数分裂、胞子形成時におけるターゲットタンパク質の低い分解効率が問題であったが、実験系の改善を図り、Tir1の胞子形成時の発現量を増加し、さらに胞子形成を誘導する培地を改変することで薬剤の取り込みを高めたことで分解効率を高めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
繋留複合体は前胞子膜形成には寄与しているが、SNARE分子の欠損のように明確な表現型は示さないことがわかった。よってGTPase下流の因子複数による膜構築の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
消耗品を節約することが可能であったため、次年度に有効に活用するために回した。次年度は繰越し金を含めタンパク質解析用試薬などに使用する予定である。
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Research Products
(6 results)