2018 Fiscal Year Research-status Report
グリコーゲン代謝関連シグナル経路による初期胚発生制御機構の解明
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17K07408
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日下部 杜央 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (80378843)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アフリカツメガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、進化的に保存されているグリコーゲン代謝関連酵素遺伝子について、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)初期胚発生における機能解析を進めた。前年度までに、グリコーゲン代謝関連酵素遺伝子のアフリカツメガエル初期胚発生における発現時期や発現部位について、リアルタイム qPCRおよびホールマウント in situ ハイブリダイゼーションにより解析し、グリコーゲン代謝関連酵素遺伝子がアイソフォームによって異なる発現時期および発現パターンを示すことを見出していた。また、各アイソフォームのmRNAの開始コドン周辺に結合して翻訳を阻害するアンチセンスモルフォリノオリゴヌクレオチドを設計し、それらをアフリカツメガエル初期胚にマイクロインジェクションして各アイソフォームをノックダウンする実験に着手し、アイソフォーム特異的なノックダウン胚がそれぞれ全く異なる表現型を示す予備的結果を得つつあった。本年度は、各アイソフォーム特異的ノックダウンによる表現型の再現性を確認した。また、アイソフォーム特異的ノックダウン胚からRNAを回収してリアルタイム qPCRにより遺伝子発現変化の解析を行ない、特定の分子マーカーの発現が大きく影響を受けていることを見出した。以上のように、アフリカツメガエル初期胚発生過程においてグリコーゲン代謝関連酵素の機能がアイソフォームによって異なることを示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリコーゲン代謝関連酵素遺伝子のアイソフォームによる機能の差異について解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
グリコーゲン代謝関連酵素遺伝子のアイソフォーム特異的な機能の差異についてより詳細な解析に着手する。他のグリコーゲン代謝関連遺伝子の機能解析にも着手する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、高額実験機器、高額消耗品を購入せずに研究を進めることができたため物品費が少なかったこと、学会出張なしで研究を進めることができたため旅費がゼロとなったこと、実験機器の故障が少なく修理代などのその他の費目も高額にならなかったことが挙げられる。次年度の使用計画としては、アフリカツメガエルとその餌、窒素ボンベ、モルフォリノオリゴ、マイクロインジェクション関連消耗品、タンパク質実験用消耗品などの購入を主に予定している。また、必要に応じて、実験機器の購入のための物品費、情報収集や学会発表のための旅費に使用する。
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