2021 Fiscal Year Research-status Report
グリコーゲン代謝関連シグナル経路による初期胚発生制御機構の解明
Project/Area Number |
17K07408
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日下部 杜央 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (80378843)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | アフリカツメガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の初期胚発生の過程は、栄養状態によって制御されうる。古くから初期胚発生研究のモデルとして使用されてきた実験動物アフリカツメガエルは、母体外発生であり、卵にあらかじめ蓄積された栄養成分を利用して初期胚発生を進める。一方、ヒト含む哺乳類は子宮内発生であり、母体から供給される栄養成分を主に利用して初期胚発生を進める。このように動物種によって発生に必要な栄養成分の由来が異なるが、栄養状態と発生過程をリンクさせる細胞内分子機構については動物一般にある程度の共通性がある可能性を考え、動物の栄養源となるグルコースの多量体であるグリコーゲンおよびその代謝関連経路に特に着目して、これまで本研究をおこなってきた。昨年度までは、複数のグリコーゲン代謝関連酵素に焦点を当てて、アフリカツメガエル初期胚を用いた発現部位と発現時期の解析、およびモルフォリノオリゴを利用した機能阻害実験等をおこない、グリコーゲン代謝関連酵素が初期胚発生に必須であること、そして異なるグリコーゲン代謝関連酵素が異なる時期および組織において異なる発生過程を制御する可能性を見出した。また、受精後の初期胚過程だけでなく、受精前の卵形成過程についても着目し、未成熟卵母細胞の生存および成熟とグリコーゲン代謝経路の関連について、阻害剤の投与等により検討を進めてきた。今年度は昨年度から引き続き卵母細胞の生存および成熟過程に主に着目して同様の検討を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他業務およびコロナ禍対応により計画が遅延し、研究期間の延長を申請した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きアフリカツメガエル初期胚および卵母細胞におけるグリコーゲン代謝関連経路の機能解析を進める。
|
Causes of Carryover |
本研究以外の業務等により計画が遅延したため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、通常使用する実験関連の消耗品の購入、および修理不能である古い機器の買い替えに使用する。
|