2018 Fiscal Year Research-status Report
Intracellular degradation mechanism controlling quiescence of adult neural stem cells
Project/Area Number |
17K07409
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 妙子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (40402804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 成体神経幹細胞 / リソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
大人の脳の神経幹細胞はほとんどが細胞周期を停止した「休眠状態(静止状態)」にある。この「休眠状態」を制御する基本的な細胞内分子メカニズムはほとんど分かっていなかった。申請者はこれまでの研究から以下の現象を明らかにした。1.休眠状態の神経幹細胞はリソソーム機能が昂進している。2.リソソームは、活性化した増殖シグナルの膜受容体をより積極的に消去して休眠状態を維持している。3.リソソーム機能阻害剤により休眠状態から逸脱する細胞が現れる。以上の知見をさらに発展させ、細胞内分解系による成体神経幹細胞の制御機構について分子・個体レベルで明らかにすることを目的とした。 平成30年度は以下の解析を行った。 1,成体神経幹細胞特異的リソソーム機能低下マウスの解析:リソソーム機能を制御する転写因子の神経幹細胞特異的ノックアウトマウスを作成し、神経幹細胞の休眠状態の変化、神経分化、細胞死を解析した。その結果、ノックアウトマウスの海馬で神経幹細胞数の増加を見いだした。 2,リソソーム機能低下神経幹細胞の解析:培養神経幹細胞でリソソーム機能を制御する転写因子のノックアウトを行い、リソソーム機能低下神経幹細胞を作成して分子レベルでの解析を行った。その結果、リソソーム機能低下による膜受容体の蓄積と休眠状態への移行遅延を見いだした。 3,リソソーム機能昂進神経幹細胞の解析:リソソーム機能を制御する転写因子を活性化する薬剤の投与、及び、構成的活性型変異体の発現により、リソソーム機能を上昇させると神経幹細胞の増殖が停止することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書における計画通りに進行する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は2000円以下と少額であり、使用計画に変更は生じない。
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Research Products
(6 results)