2019 Fiscal Year Annual Research Report
Intracellular degradation mechanism controlling quiescence of adult neural stem cells
Project/Area Number |
17K07409
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 妙子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (40402804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リソソーム / 成体神経幹細胞 / 休眠状態 / TFEB |
Outline of Annual Research Achievements |
大人の脳の神経幹細胞はほとんどが細胞周期を停止した「休眠状態(静止状態)」にある。この「休眠状態」を制御する基本的な細胞内分子メカニズムはほとんど分かっていなかった。 本研究課題で申請者は、休眠状態の神経幹細胞はリソソーム機能が昂進していること、リソソームは、活性化した増殖シグナルの膜受容体をより積極的に消去して休眠状態を維持していること、リソソーム機能阻害剤により休眠状態から逸脱する細胞が現れることを見出してきた。昨年度は、成体神経幹細胞特異的なリソソーム機能低下を神経幹細胞特異的TFEB ノックアウトにより誘導し、当該ノックアウトマウスの海馬で神経幹細胞数の増加を見いだした。また、リソソーム機能低下(TFEBノックアウト)神経幹細胞を作成して分子レベルでの解析を行い、in vitroでのリソソーム機能低下による膜受容体の蓄積と休眠状態への移行遅延を見いだした。さらに、リソソーム機能昂進神経幹細胞の解析を行い、TFEBを活性化する薬剤の投与、及び、構成的活性型変異体の発現により、リソソーム機能を上昇させると神経幹細胞の増殖が停止することをin vitroで見いだした。 今年度は、昨年度にin vitroで確認された現象を、個体脳内の解析によりin vivoでも明らかにした。リソソーム機能昂進のため、活性型TFEBを脳内の海馬の神経幹細胞にレンチウイルスを導入して発現誘導し、神経幹細胞の増殖が減少することを見出した。また、TFEBノックアウトマウスの海馬歯状回において、受容体膜タンパク質が確かに蓄積していることを見出した。本研究内容は、2019年にNature Communicationsに受理され、成果を公表することができた。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Enhanced lysosomal degradation maintains the quiescent state of neural stem cells.2019
Author(s)
Kobayashi, T., Piao, W., Takamura, T., Kori, H., Miyachi, H., Kitano, S., Iwamoto, Y., Yamada, M., Imayoshi, I., Shioda, S., Ballabio, A., and Kageyama, R.
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 10
Pages: 5446
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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