2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of biological timers that determine developmental timing and environmental effects in Drosophila
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17K07412
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上田 均 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (60201349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タイミング / 栄養 / ショウジョウバエ / エクダイソン / 変態 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼虫期の栄養状態の情報が前蛹期間に影響をおよぼす経路をさらに調べるための解析を継続し、3齢幼虫期間にインスリンあるいはTORパスウェイのシグナルをGAL4-UASシステムを用いて脂肪体得意的に増強あるいは減衰させることを行ったところ、TORパスウェイの一つの因子についてはその影響が見られた。栄養シグナルが脂肪体以外の器官で感知され伝わっている可能性を調べるため、3齢幼虫後期に熱ショックプロモーター制御下で遺伝子を誘導して、インスリンあるいはTORパスウェイの活性を変化させたところ、それぞれのパスウェイの一つの因子についてはその影響が見られた。一方、以上2つの解析において、インスリンあるいはTORパスウェイの他の因子の影響は見られず、他の因子によるパスウェイの増強あるいは減衰が十分でない可能性、また、影響のあった因子が、未知の経路でシグナルを伝達している可能性が考えられた。 様々な領域を欠失するBlimp-1を熱ショックで誘導できる系統を用いて、蛹化直前に発現させることにより、今まで機能がわからなかった領域の重要性が示唆された。 幼虫期に発現するFTZ-F1の発現制御領域を調べる一つの方法として、予想される制御領域近傍に挿入したPエレメント内部の遺伝子の発現を調べることにより、発現制御領域を推定した。またこの推定した領域にPエレメントが挿入した場合、および、この部位に挿入しているPエレメントのimprecise excisionによる欠失より、3齢期間が大きく延長することから、この領域が遺伝子発現に重要であることを示すことができた。また、3齢期でのFTZ-F1の時期特異的強制発現あるいはノックダウンにより、3齢期間に影響が出ることを示唆する結果が得られ、3齢期でのFTZ-F1の時期特異的発現の重要性が確認された。
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