2017 Fiscal Year Research-status Report
Identification and functional analysis of a gonadal Sox9 enhancer
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17K07429
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 性分化 / マウス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sox9遺伝子は精巣分化の初期で発現し、精巣分化に必須である事が知られている。実際にヒトではSOX9遺伝子に変異が生じるとキャンポメリックディスプラジアを発症し、核型XYのキャンポメリックディスプラジア症例では約2/3で性分化疾患となることが知られている。ヒトの症例解析により、SOX9のコーディング領域に変異がなくても、その上流領域に転座があるとキャンポメリックディスプラジアや性分化疾患になることが明らかにされており、SOX9のコーディング領域から離れたところに存在するエンハンサーがSOX9の発現に重要であると考えられている。ヒトではSOX9の上流0.6 Mbに存在するXYSRと呼ばれる32.5 kbの配列がその一つであると考えられている。これまでにヒトのXYSRに相当するマウスでの配列をバイオインフォマティクスにより推定し、ゲノム編集技術とマウスをモデルに用い、XYSRの機能に重要である配列を711 bpまで絞り込んだ。この711 bpがエンハンサーであることを検討するため、プロモーター、LacZ、711 bpをトランス遺伝子としたトランスジェニックマウスを作製したが、エンハンサーの活性は確認されなかった。来年度以降に他の方法を試みることにより証明する。711 bpの制御について明らかにするためには、その制御因子の同定が重要である。そのため、711 bp領域中の責任配列を詳細にマッピングする必要がある。本年度は711 bp領域を小さく欠失した変異マウスをゲノム編集により作製した。その結果、一度目の実験で300 bp程に、二度目の実験で106 bpにまで責任領域を狭めることができた。今後、より詳細にマッピングを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた責任配列を同定するための詳細マッピングが二段階進み、106 bpにまでマッピングできているため。
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Strategy for Future Research Activity |
106 bpよりさらに詳細なマッピングを行い、責任配列を数塩基にまで同定することを目指す。エンハンサー活性の測定については通常の方法とは異なった実験系を考え、検討する。
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Causes of Carryover |
責任領域の絞り込みを今年度もう一段階行いたかったが実施できなかった。そのため、来年度実施する。
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