2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and functional analysis of a gonadal Sox9 enhancer
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17K07429
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 性分化 / マウス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sox9遺伝子は精巣分化の初期で発現し、精巣分化に必須である。Sox9の発現制御には、ゲノム中のSox9遺伝子から遠位に存在するエンハンサーが機能していると考えられている。ヒトではSOX9の上流0.6 Mbに存在するXYSRと呼ばれる32.5 kbの配列がその制御に重要であると考えられていた。これまでにヒトのXYSRに相当するマウスでの配列をバイオインフォマティクスにより推定し、ゲノム編集技術とマウスをモデルに用い、XYSRの機能に重要である配列を711 bpまで絞り込んでいた。この配列に対して、CRISPR/Cas9システムを用いて微小欠失マウスを順次作製し、711 bpの中の機能配列のマッピングを行った。機能配列を9塩基にまで絞り込んだので、CRISPR/Cas9システムによりその中にさらに1、2塩基置換を導入した。その結果2塩基置換でも、1塩基置換でもXYの核型を有しながらも外生殖器が雌になるマウスの作製に成功した。そこが機能配列であることが明らかとなった。その配列に結合する因子を塩基配列から推定したところ、一つの遺伝子ファミリーが結合する可能性が考えられた。この遺伝子ファミリーのうちいくつかはXY核型の胎仔期生殖腺で発現しているため、そのうちの一つまたは複数がエンハンサーの機能に関与していると考えられる。この配列に、遺伝子ファミリーのコードする因子が結合する可能性を、クロマチン免疫沈降法などによる明らかにする必要である。また、この遺伝子ファミリーのコードする因子がSox9遺伝子の発現を制御するメカニズムをルシフェラーゼアッセイなどのより明らかにする必要があり、そのためのプラスミドコンストラクトなどの準備ができつつあるので、今後明らかにする。
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