2017 Fiscal Year Research-status Report
C4型光合成の進化過程でクランツ構造を誘導したゲノム変異の同定と解析
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17K07456
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
宗景 ゆり 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (30423247)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | C4光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
C3-C4中間種Flaveria floridanaとC4様種Flaveria browniiのF2交雑集団を用いて、QTL解析により、クランツ構造の発達と連鎖するゲノム変異の同定を行うためにRestriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)により多型情報を取得した。 まず、表現型解析を行うために、葉切片をトルイジンブルー染色し組織構造を観察した。一般的に双子葉C3植物では、強光下において葉の光軸側に2層の柵状葉肉細胞層が形成されることが知られており、C3-C4中間種F. floridanaでは、C3種同様に2層の柵状葉肉細胞層が観察された。一方、C4植物では柵状葉肉細胞層は一層のみ形成され、これにより葉肉細胞と維管束鞘細胞が1:1で規則的に配置されるクランツ構造が形成される。C4様種F. browniiでは、C4種同様に一層のみの柵状葉肉細胞層が観察された。これらを掛け合わせたF1交雑植物体では、柵状葉肉細胞層は二層形成される。このF1交雑植物同士を掛け合わせて得られた、F2交雑集団の80個体について同様に葉切片の観察を行った。柵状葉肉細胞が1層のみ形成されるF. brownii型の表現型を示す個体は約27.5%の割合で出現した。また同時にこれらの植物体からDNA抽出を行い、Restriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)により多型情報を取得した。今後これらのデータの詳細な解析を進め連鎖する遺伝子群を特定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C3-C4中間種Flaveria floridanaとC4様種Flaveria browniiのF2交雑集団80個体について、表現型解析を行い、Restriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)により同個体について全ゲノム配列の多型情報を取得できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Restriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)により取得したの多型情報をもとに、全ゲノムドラフト配列と照らし合わせ、表現型と連鎖するゲノムコンティグを抽出する。また、これらのコンティグ上にある遺伝子群を特定する。
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Causes of Carryover |
Restriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)のためのサンプル送付は2017年度に完了しているが、解析結果の納品が2018年度になったため。また、サンプル数を増やして同様の解析を行う予定である。
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