2018 Fiscal Year Research-status Report
C4型光合成の進化過程でクランツ構造を誘導したゲノム変異の同定と解析
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17K07456
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
宗景 ゆり 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (30423247)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | C4光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
C3-C4中間種Flaveria floridanaとC4様種Flaveria browniiのF2交雑集団を用いて、クランツ構造の発達と連鎖するゲノム変異の同定を行うためにRestriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)により多型情報を取得した。
まず、F2交雑集団139固体を用いてクランツ構造の表現型の出現頻度について、柵状組織二層目の細胞数/一層目の細胞数を指標にして定量的に再解析したところC4様種F. brownii 型を示す割合は19%であることが明らかになった。このことから、C4様F. brownii 型クランツ構造を決定する遺伝子座は1 locusである可能性が示唆された。 次にFlaveria floridanaおよびFlaveria browniiゲノムを制限酵素BglII、EcoRIで処理し、次世代シーケンサーにより切断部位からの配列を取得した。同様にしてF2交雑集団139固体についてRad seqを行った。それぞれのゲノム配列において共通に検出でき、かつSNPを含む1295 lociについて連鎖解析をしたところ、F. brownii型のクランツ構造を示す表現型と連鎖したのは、このうち69 lociであった。クランツ構造に関与するQTLは1 locusであることが、表現型の出現頻度から推定されていたため、この69 lociはお互いにゲノム上のポジションが近く、クランツ構造を決定するゲノム遺伝子座の近傍に位置する可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Restriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)により多型情報し、連鎖解析を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Restriction Site Associated DNA Sequence (Rad seq)および連鎖解析により同定した、69 lociはクランツ構造を決定するゲノム遺伝子座の近傍に位置する可能性が高いため、69 lociの近傍に位置する遺伝子を調べる。また、C4様種F. brownii 型クランツ構造を示したF2固体をF.floridanaと掛け合わせてバッククロスを行い、その次世代においてC4様F. brownii 型クランツ構造表現型を示す固体を選抜し、69 lociからさらに絞り込む。
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Causes of Carryover |
バッククロス後の固体についてゲノム解析を行う必要が生じたため
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