2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular regulation of actin plate on brown algal cytokinesis
Project/Area Number |
17K07462
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長里 千香子 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (00374710)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 褐藻類 / 細胞質分裂 / アクチン / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、褐藻類の細胞質分裂において出現するプレート状アクチン構造の形成タイミングと膜融合過程との関係について明らかにすることを目的として、細胞骨格のライブイメージングとその配向に関連するタンパク質の単離・機能解析を行った。最終年度は、植物細胞で細胞質分裂への関与が示されている微小管結合タンパク質でプラス端に存在するEB1; end-binding 1、アクチンフィラメントの形成を促進するとともに微小管の配向にも影響するforminのcDNA の単離を試みた。EB1に関してはcDNAを全長単離し、ポリクローナル抗体を作製した。EB1において細胞周期を通した局在を褐藻類のクロガシラ、アミジグサを用いて観察したところ、微小管とほぼ共局在していることが確認され、細胞質分裂において特徴的な局在は示さなかった。forminはシオミドロのゲノム配列を元にcDNAの単離を試み、ほぼ全長を得ることができた。褐藻類では他の真核生物で見られるforminがほぼ共通して持つFH1ドメイン(FH2ドメインのN末側にある)を持たないことがあげられ、このことが褐藻類のforminの局在や機能とどのような関係があるのかについては今後の課題となった。また、今年度は、蛍光ファロイジンとエンドサイトーシスによって取り込まれた内膜を標識するFM4-64を用い、アクチンプレートの形成と隔膜発達の様子を同時に観察することができた。その結果、隔膜形成の発達とともにアクチンプレートも細胞膜側へ拡張する様子が観察されたことから、アクチンプレートが隔膜形成に関与していることが示された。 研究期間を通して、褐藻類の細胞質分裂に特徴的なアクチンプレートの形成とその機能について取り組んだ。その結果、その形態の維持と形成には微小管との相互関係があること、そして、隔膜形成への関与が確かめられる結果を得ることができた。
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