2017 Fiscal Year Research-status Report
Identification of genes specific to the intestinal epithelial stem cells and their functional analysis by making use of transgenic frogs
Project/Area Number |
17K07475
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
長谷部 孝 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70329027)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 消化管 / 上皮幹細胞 / 甲状腺ホルモン / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
アフリカツメガエル幼生の消化管を構成する上皮細胞は、甲状腺ホルモンの血中濃度が高まる変態期にそのほとんどが除去されるが、一部が脱分化して成体型上皮幹細胞となる。本研究では、成体型上皮幹細胞特異的に発現する遺伝子の同定と機能解析により、消化管再構築における幹細胞制御のメカニズムを解明することを目的とする。今年度は、(1) 成体型上皮幹細胞の純化と(2) RNA-seqによるトランスクリプトーム解析による幹細胞特異的遺伝子の同定を目指して研究を行った。 (1) では、上皮幹細胞に特異的に発現することがすでにわかっているタンパク質であるRor2の抗体を作製し、この抗体がアフリカツメガエルのRor2を特異的に認識することを確認した。また、Ror2の転写調節に関与していることが期待されるゲノム領域を単離し、レポーターとしてGFPをドライブさせたコンストラクトを用いてトランスジェニックカエルを作製した。F0個体を用いてGFPの発現を確認したところ、内在性Ror2を発現する細胞で強いGFPシグナルが確認されたことから、GFPを指標とした幹細胞の単離も実現可能になりつつある。このように、幹細胞純化に向けた基礎実験では良好な結果が得られつつある。 (2) では、基礎的な情報を得るために、小腸全体から抽出したRNAを用いてトランスクリプトーム解析を行った。変態前、変態最盛期、変態後の遺伝子発現を比較し、変態最盛期に特異的に発現が上昇あるいは低下する遺伝子を探索中である。 本研究により幹細胞特異的な新規遺伝子が同定され、その機能が明らかになれば、幹細胞研究の分野でたいへん意義深いものになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、幹細胞の純化を達成しているはずであったが、準備段階の基礎実験にとどまっている。そのため、幹細胞特異的な遺伝子の同定に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、幹細胞の純化を試みる。上で述べたように、基礎実験では良好な結果を得つつあるので、抗体を結合させる方法、GFPの発現を指標にする方法の両面から、幹細胞の純化を進めていく。その他は、計画書にある通りに実施していく。
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