2017 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive analyses for factors and effects of gene introgression via hybrid zone between two diverged lineages of Cynops pyrrhogaster based on multiple approach
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17K07540
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
富永 篤 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60452968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 完途 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (10335292)
中田 友明 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (50549566)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 交雑帯 / 遺伝子浸透 / 性フェロモン / 交配実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は中国地方と中部地方での交配実験とソデフリン相同遺伝子の多型解析のためのサンプリングを行った。集団遺伝解析については、中国地方、中部地方の分布境界の集団を対象に進めた。どちらの分布境界でも交雑帯を介して、マイクロサテライトの遺伝子頻度が急激に変わり、核ゲノムでも各系統が区別可能なことが明らかとなった。また、両方の交雑帯が見られるが交雑帯の幅は中国地方のほうが広く、分布境界を越えた遺伝子浸透も中国地方のほうが顕著であること等が明らかとなった。さらに、どちらの分布境界でも非対称な遺伝子浸透が見られ、わずかではあるが、分布境界が移動している可能性があることが示唆された。中国地方の結果については、論文にまとめることができ、中部地方についてもほぼ実験は完了し、解析も実施することができた。アカハライモリではソデフリン相同遺伝子が同一個体に多種発現しており、今回12の個体群から432のソデフリン相同遺伝子を得て性フェロモンの多型解析を行った。その結果、全個体群でソデフリン相同遺伝子が観察された。西日本・南日本の2系統では特異的なソデフリン相同遺伝子がみられたが、系統間の交雑個体群ではこれら地域特異的な遺伝子はみられなかった。これらの結果から、中部日本系統が西日本系統と交雑し、交雑集団が形成された結果、西日本系統に特有のソデフリン相同遺伝子が淘汰された可能性が考えられた。また、中部日本系統と西日本系統それぞれのオス約20個体、メス約15個体を用いて同群ごとの交配実験を合計108回行った。その内の中部日本型12回、西日本型10回で繁殖行動が観察できた。両群には、オスが求愛行動を行なう際のメスとの角度と距離のとり方に差異が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプリング、集団遺伝解析、ソデフリン相同遺伝子の多型解析、交配実験の予備解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度は、他の分布境界でのサンプリングと集団遺伝解析の論文化、地域特異フェロモンの活性を系統間で比較、2系統雄2個体と雌のトリオ飼いによる雌の好みについて調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
ソデフリン相同遺伝子の多型解析に必要な物品が予想よりも少なく、次年度にのこすこととなった。
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Research Products
(4 results)