2019 Fiscal Year Research-status Report
Ecosystem function of Oriental-pied hornbills as seed dispersers for large-seeded plants in a half-emptyt forest
Project/Area Number |
17K07569
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
北村 俊平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (60549674)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 種子散布 / 種子食害 / 森林の空洞化 / キタカササギサイチョウ / カオヤイ / アグライア |
Outline of Annual Research Achievements |
小型サイチョウ類が利用する果実種と植生調査に基づいた群集レベルでの種子散布機能の評価として、カオヤイ国立公園内で4種のサイチョウ類が分布する健全な森(西)とキタカササギサイチョウのみが分布する半空洞化した森(東)に設置された計2007か所(西:1007か所、東:1000か所)の実生枠(1×1m)に出現した実生データを解析した。
全体で50科117属155種5935個体(W:48科102属122種984個体、E:26科53属63種4951個体)が記録された。このうち、サイチョウ類が果実を利用する植物は全体で26科43属55種2248個体(W:26科40属47種1976個体、E:11科19属25種272個体)だった。サイチョウ類が果実を利用する餌植物の割合は全体で37.9%(西で39.9%、東で27.6%)だった。サイチョウ類の餌植物のうち、個体数割合の上位5科はクスノキ科(全体の28.6%)、バンレイシ科(16.6%)、センダン科(14.2%)、ニクズク科(11.0%)、フトモモ(5.6%)で、これらで76.1%を占めた。上位5属はCinnamomum(16.1%)、Knema(8.7%)、Aglaia(7.6%)、Polyalthia(6.2%)、Cleistocalyx(5.6%)で、これらで44.4%を占めた。上位5種はCinnamomum subavenium(15.2%)、Knema elegans(8.7%)、Aglaia spectabilis(6.2%)、Cleistocalyx nervosum(5.6%)、Desmos chinensis(5.6%)で、これらで41.4%を占めた。生活型別では、高木が43種(西で36種、東で20種)、低木が4種(西で1種、東で3種)、ツルが8種(西で8種、東で4種)で、高木種がほとんどを占めた。
本研究の主な調査対象であるセンダン科Aglaia spectabilisの個体数は西で4番目、東では2番目、全体で3番目と上位に位置しており、半空洞化した森でも比較的たくさんの実生が見られた。そのため、半空洞化した森にも生息しているキタカササギサイチョウが本種の唯一の種子散布者として、貢献しているのではないかと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去2年間で不十分だった結実時期のデータを収集する予定だったが、調査対象の結実状況が悪く、野外調査を行うことができなかった。また、2020年3月に実生を対象とした分布調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症のため調査地への海外渡航ができない状況になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年5月の結実時期に追加調査を考えていたが、新型コロナウイルス感染症のため、該当時期には海外渡航を行うことができなかった。そのため、調査地に滞在している共同研究者らが収集中のデータ解析とサイチョウ類を対象とした先行研究を精査することで、野外調査を補完し、成果を取りまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象の結実状況が悪く5月の結実個体での野外調査を行うことができなかった。また、その代替として2020年3月に種子散布後の実生の分布パターンの調査を予定していたが、コロナ対応で海外出張が不可能であったため。
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